「健康に関する話題：鍼治療の芸術を探求する」という記事がアメリカのニュースサイトExplore Big Skyに掲載されています。(Explore Big Sky 2023.8.30)
アメリカでは、他の医療方法では痛みを和らげたり治癒できなかった場合に、鍼治療を試すことがあるようです。
鍼治療は紀元前から使われてきた中国医学の技術であり、技術を習得した鍼灸師が体全体にある経穴（ツボ）と呼ばれるポイントに、細い針を刺入して、針を操作していきます。
体内の「気・血・精・津液」という生理物質が動き、体のエネルギーのバランスを整えて症状の治癒を促したり筋緊張をほぐしてリラクゼーション効果をもたらすため、鍼治療は健康維持や病気予防対策として使われます。
また鍼治療は、全身を整えるということで多くの病気や症状に試されるんですね。
特に、腰痛・膝痛や頭痛や関節痛など、慢性化になりやすい痛みを鎮静するといわれています。
そして自律神経やホルモンバランスを整えて精神が安定する効果が期待できますので、
うつ症状やストレス緩和、睡眠障害の改善にも試されることが多いでしょう。
今回の記事では鍼治療によって、更年期障害の症状であるほてりや睡眠の中断、不安などが、37%軽減されたことが発見されたと書かれています。
更年期障害の主な原因は女性ホルモンのエストロゲンの低下ですが、加齢や性格、そして仕事や家庭などの社会環境が複合的に関与して発症すると考えられています。
更年期の症状でよく聞くのは血管拡張と放熱に関係する「ほてり、のぼせ、ホットフラッシュ、発汗」などですが、逆にひどい冷えを感じる場合もあるそうです。
また、「気分の落ち込み、意欲低下、イライラ、不眠」などの精神症状が出たり、「めまい、動悸、頭痛、肩こり、腰背部痛や関節痛、しびれ、疲れやすい」など、症状は多種多様なんですね。
薬物療法で用いるのはエストロゲンを補うホルモン補充や、漢方方剤、抗うつ薬・抗不安薬・催眠鎮静薬などの向精神薬ですが、様々な症状に対して鍼治療は試す価値がありそうです。
今回の記事では自然療法の医師が次のように述べています。一部を引用させていただきます。
“One of the biggest misconceptions about acupuncture is that it hurts?most people are surprised that acupuncture can be virtually painless.
Acupuncture is overall a soothing procedure. It works with the body’s own wisdom to heal deeper within the body.”
要約すると次のようになります。
・鍼治療についての最大の誤解の1つは、痛みがあるということである
・ほとんどの人は、鍼治療が事実上無痛であることに驚く
・鍼治療は、全体的に気持ちを落ち着かせる施術である
・自身の治癒力で、身体の奥深くまで癒す
更年期障害の各種症状に対する鍼灸の効果については当サイトでもいくつか取り上げてきました。そちらもあわせてご参照ください。
⇒ 更年期障害のほてりは鍼灸治療で半減する可能性 － イギリス
更年期障害を始めとして、体のバランスが崩れたときには、鍼灸治療を試してみる価値があるということですね。
今回の記事の詳細については、「Explore Big Sky」のサイトをご参照ください。
◆Explore Big Sky – Health Buzz: Exploring the Art of Acupuncture
https://www.explorebigsky.com/health-buzz-exploring-the-art-of-acupuncture/50362
