「思いやりのあるケア:主根鍼治療とハーブは総合的な不妊治療を提供します」という記事がアメリカのニュースサイトPASADENA Weeklyに掲載されています。(PASADENA Weekly 2023.8.17)
この記事では不妊症を問題にしている男女や、ホルモンの問題を抱えている女性が来院しているクリニックについて書かれています。
鍼治療と統合医療の医師が中国医学や機能性医学、そして栄養学を組み合わせたアプローチで、ホルモンの問題や不妊症、体外受精、妊娠中の病気、産後ケア、初経から閉経周辺期までカバーしているとのことです。
WHOは「不妊とは、12カ月以上に亘って定期的な避妊法を行わずに妊娠に至らない男性または女性の生殖器系の疾患」と定義しています。
「生殖年齢にある世界中の人々の、約6人に1人が不妊症を経験する」と推計されているそうです。
日本では令和4年4月に不妊治療の保険適用が見直されて話題になりましたが、実際に不妊の検査や治療を受けたり現在受診中の夫婦は、約4.4組に1組の割合だそうです。(厚生労働省より)
年齢や回数の基準がありますが人工授精等の一般不妊治療と、生殖補助医療(採卵・採精、体外受精・顕微授精等)が保険適用になっているんですね。
中国伝統医学では鍼治療によって女性の月経周期の健康状態を改善維持するケースがみられます。
鍼治療は紀元前から2,000年以上に渡って続いている治療法といわれています。
西洋医学では服薬や手術などの人工的手法による治療がほとんどですが、中医学ではその方の状態や病状を診てより個人に合わせた改善方法を考え、鍼を使ってバランスを整えていくことを目標とします。
経絡と経穴(ツボ)に鍼または灸によって刺激を加え、体の「気・血・津液・精」が正常に流れるようになると、人の持つ自然治癒力が上がって、不調が改善されていくとされています。
不妊の状態も、何かしらの滞りや不調、バランスの不均衡があると考えられています。
記事では、博士が以下のように述べています。一部を引用させていただきます。
“As Dr. Bentolila noted, scientific studies have shown acupuncture can increase sperm count and improve sperm quality, resolve anovulation in women suffering from PCOS, and dramatically increase the chances of success of IVF.”
要点は次のようになります。
・科学的研究により鍼治療は精子数を増加させて精子の質を改善すると考えられる
・多嚢胞卵巣症候群(PCOS)に苦しむ女性の無排卵を解決する可能性がある
・体外受精(IVF)の成功の可能性を劇的に高めることが期待できる
また、排卵と卵子の質や精子の質をあげることで自然妊娠も体外受精の場合も、何百組ものカップルが赤ちゃんを妊娠するための手助けができたそうですね。
不妊に対する鍼灸治療については当サイトでもいくつか取り上げてきました。そちらもあわせてご参照ください。
⇒ 不妊治療だけでなく妊娠中も産後のケアも鍼灸は強い味方 ? アイルランド
日本においても、鍼灸院で不妊に対するアプローチをするケースが多いようです。
クリニックに通院している方や、40代からの「高齢」と言われる方が、鍼治療を併用されることもあります。
鍼灸治療は、ホルモンバランスやメンタル面の安定に対しても、より良い効果が期待できるといわれています。
人間がもともと持っている生命力や各種機能を高めてくれるのかもしれませんね。
今回の記事の詳細については「PASADENA Weekly」のサイトをご参照ください。
◆PASADENA Weekly – Compassionate Care: Taproot acupuncture & herbs offers holistic fertility treatments
https://www.pasadenaweekly.com/feature_stories/compassionate-care-taproot-acupuncture-herbs-offers-holistic-fertility-treatments/article_72b04566-3c6e-11ee-ae74-3bfe03d8c714.html