コロナ後遺症の症状に鍼灸治療 - アメリカ

「一部の長期にわたる新型コロナウイルス患者にとって、鍼治療やその他の東洋の治療法は、西洋の薬では得られなかった緩和をもたらします」という記事が、アメリカのNBCのニュースサイトに掲載されています。(NBC News 2023.3.11)

新型コロナウィルス感染の症状が長く続いている人の中で、一部は東洋医学の治療を受けるようになり、特に鍼治療で楽になったという人が多いようです。

WHO(世界保健機関)での新型コロナウイルス感染症の後遺症の定義は、「新型コロナウイルスに罹患した人にみられ、少なくとも2カ月以上持続し、また他の疾患による症状として説明がつかないもの(通常はCOVID-19の発症から3カ月経った時点にもみられる。)」とのことです。

日本の厚生労働省によると、代表的な罹患後症状は<疲労感・倦怠感、関節痛、筋肉痛、咳、喀痰、息切れ、胸痛、脱毛、記憶障害、集中力低下、頭痛、抑うつ、嗅覚障害、味覚障害、動悸、下痢、腹痛、睡眠障害、筋力低下など>とのことです。

後遺症の症状は、多岐にわたっているんですね。

また、罹患後症状の多くは時間経過とともに症状が改善することが多いとされていますが、(1)罹患してすぐの時期から持続する症状、(2)回復した後に新たに出現する症状、(3)症状が消失した後に再び生じる症状の全般をさしているということです。

アメリカ国勢調査局のデータによると2023年2月の時点で、アメリカの成人の約11%が長期間の罹患後症状を経験し、感染後少なくとも3か月は続く症状があるそうです。

日本でも何らかの症状があると訴えた人は、感染半年後は32.3%、1年後は30.5%、1年半後でも25.8%と、約4人に1人なので、割合は多いです。(国立国際医療研究センター調べ)

日本で多い症状は、記憶障害 集中力低下 嗅覚異常とのことです。

 

この記事で鍼治療の臨床マネージャーは、長期にわたる新型コロナウイルス患者の、少なくとも75%が鍼治療によく反応した、と述べています。

そのことが書かれている部分を下記に引用いたします。

Kaiser explained that many long Covid symptoms were similar to those practitioners had addressed with acupuncture before the pandemic.
“Acupuncture reduces inflammation. It regulates that autonomic nervous system, helps to increase blood flow, helps to release neurochemicals in the brain,” she said.
Long Covid patients usually undertake acupuncture in concert with other interventions, such as medications or supplements.

要点は次の通りです。

・長期にわたる症状の多くは、パンデミック前に開業医が鍼治療で対処したものと似ている

・鍼は炎症を抑える。自律神経系を調節し、血流を増加させ、脳内の神経化学物質の放出を助ける

・コロナ後遺症ド患者は通常、薬やサプリメントなどの他の介入と合わせて鍼治療を受ける

 
当サイトでも、新型コロナウイルス感染症やその後遺症に関する記事をご紹介しました。そちらもあわせてご参照ください。

 ⇒ コロナ後遺症の味覚嗅覚症状に鍼灸治療の可能性 - アメリカ

 ⇒ 新型コロナ肺炎に耳ツボや鍼灸治療で退院 - 中国

新型コロナウイルス感染症の後遺症の症状を改善する方法の一つとして、鍼灸治療が活躍するかもしれませんね。

 
今回の記事の詳細は、「NBC」のニュースサイトをご参照ください。

◆NBC News – For some long Covid patients, acupuncture and other Eastern remedies bring relief that Western medicines have not
https://www.nbcnews.com/health/health-news/long-covid-acupuncture-eastern-remedies-rcna74358

 
kentaikan21a