片頭痛の治療には鍼灸 - アメリカ

「効果的な片頭痛治療は現代医学よりも先にあるー脳の痛みのための針刺し」という記事が、アメリカのクリエイティブな世界的情報雑誌「GQ」のサイトに掲載されています。(GQ 2023.4.3)

片頭痛は、血管が拡張することでズキズキとした拍動性の痛みが生じる頭痛です。

片側に現れることが多いためこの漢字が使われますが、両側から痛むこともあるようです。

日本では、年間に1割程度の人がかかり、女性の方が多いといわれています。

片頭痛の特徴として、頭痛が起こる前に「前兆」があるんですね。

キラキラした光やギザギザの光(閃輝暗点)などが最も多くみられ、通常は1時間以内に前兆が終わり、引き続いて頭痛が始まるようです。

発作の特徴は、

(1) 拍動がある
(2) 痛みは中等~高度で日常生活に支障をきたす
(3) 日常的な運動により頭痛が増強する
(4) 悪心(吐き気)、嘔吐を伴う
(5) 光や音に過敏になる
(6) においを不快に感じる

などです。

我慢できない頭痛の時は、経口薬を服用することになりますが、日本で市販されている頭痛薬は基本的に鎮痛薬で、「軽度の頭痛を緩和させる」というものになっています。

漢方薬では「釣藤散(ちょうとうさん)」や「葛根湯(かっこんとう)」、「呉茱萸湯(ごしゅゆとう)」や「五苓散(ごれいさん)」などは、頭痛を和らげる作用を持っているといわれています。

 
記事では、スタンフォード大学神経科頭痛部門の神経科医が、鍼治療の研究がますます良くなっていると述べています。

東洋医学・中医学では、体内のエネルギーが効率的に循環していないと、痛みを引き起こす可能性があり、片頭痛患者にとって、鍼治療でエネルギーが再び循環することから、より良くなるということなのです。

約5,000人が参加した臨床試験のレビューでは、鍼治療を受けた片頭痛患者のほぼ3分の2で、片頭痛の頻度が半減したことが判明したそうです。

スタンフォード大学神経科の神経科医であり、頭痛部門のチーフであるZhang博士は次のように述べています。一部を引用させていただきます。

“We think that there are probably neurochemical changes that happen, the release of certain neurotransmitters that occur when needling is being done. Similar to many other migraine treatments, the ultimate goal is to calm down that hypersensitivity of migraine brain.”

要点は次の通りです。

・片頭痛では神経化学的変化が起こっていると考えており、刺鍼が行われているときに特定の神経伝達物質が放出される

・他の片頭痛治療と同様に、最終的な目標は片頭痛の脳の過敏症を落ち着かせることである

 
当サイトでも、片頭痛と鍼灸についての話題をご紹介してきました。そちらもあわせてご参照ください。

 ⇒ 片頭痛に鍼治療はなぜ効くのか - 日経メディカル

 ⇒ 片頭痛緩和を検査数値で確認 - アメリカ

今後は、少しずつ鍼灸のメカニズムが解明されていくと考えられますが、片頭痛の痛みの緩和に鍼灸治療が効果的であるという事例はますます増えていくことでしょう。

 
今回の記事の詳細は、「GQ」のサイトをご参照ください。

◆GQ – An Effective Migraine Treatment Predates Modern Medicine
https://www.gq.com/story/acupuncture-for-migraines

 
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