ボウディンでの健康診断と鍼治療 - アメリカ

「ボウディンでの健康診断」という記事が、アメリカのボウディン大学のホームページに掲載されています。(Bowdoin 2023.2.27)

1794年創立のボウディン大学は、学生数約1,800人という規模のアメリカ東海岸のメイン州にある大学です。

この大学はカウンセリングディレクターや学生ウェルネスディレクターとうい存在があって、鍼治療をウェルネス・プログラムとして、後押ししているそうです。

ウェルネス(wellness)というのは、「健康」をより広く捉えた概念のことで、毎日をよりよく生きるための健康維持・増進に向けた生活態度全般を示します。

世界保健機関(WHO)のWHO憲章には、次のように「健康」の定義があります。

『健康とは、肉体的、精神的及び社会的に完全に良好な状態であり、単に疾病又は病弱 の存在しないことではない。』

健康であることは身体的な問題だけではなく社会的にも良好であることが必要、ということなんですね。

 
日本では、文部科学省の学校保健統計調査によると、小中高校の8~9割以上の学校がスクールカウンセラーを配置するようになったとあります。

大学・専修学校に勤務する公認心理士の方は、全国で約1,100人くらいだそうです。

心理士を「キャンパスカウンセラー」と呼んでいる大学もあるんですね。

大学内でカウンセリングから具体的なアプローチへの提案・実践があるというのは学生にとっても嬉しいことでしょう。

 
このボウディン大学には、鍼治療の診療所とレイキクリニックが設けられているそうです。

レイキというのは補完療法の一つで、施術者が患者に軽く手を当てる、あるいは患者の真上に手をかざして行うもので、患者自身の治癒反応を促進することを目的として行われるヒーリング手法です。

ここの学生ウェルネスディレクターは「鍼治療とレイキは、落ち着きと呼吸と内なる平和を可能にするもので重要である」と述べています。

鍼治療は身体的な疾患だけでなくメンタルにも作用するので、リラックスや心のクールダウンにも有効なんですね。

また、ボウディン大学の代表補佐は次のように述べています。一部を引用いたします。

One of Bowdoin’s goals is to make wellness accessible and relevant to a diverse student body. To get a more comprehensive understanding of students’ needs, this winter the College issued an Integrative Health Survey to every student. It features questions about their health-related concerns and behaviors, including around alcohol and substance use, relationships, and sex. The responses will provide Bowdoin with information that will “influence the resources and programming we put into place,” Lohmann said.

要点は次の通りです。

・Bowdoin の目標の1つは、多様な学生団体が健康を身近に感じられるものにすること

・学生のニーズをより包括的に理解するために、この冬、大学はすべての学生に総合的な健康調査を発行した

・アルコールや物質の使用、人間関係や性生活など、健康に関する懸念や行動についての質問が掲載されている

 
このように大学生の時から健康を意識して鍼治療を取り入れることは意味があることなのかもしれませんね。

大学の中に鍼灸院があり活用されているというケースは、当サイトでも以前ご紹介させていただきました。そちらもあわせてご参照ください。

 ⇒ キャンパス内の鍼灸治療室が人気 - アメリカ

現代社会は筋緊張やストレスなど、リラックス効果が必要な場面が多々ありますね。

鍼灸治療が現代人のさまざまな緊張緩和に役立っていくといいですね。

 
今回の記事の詳細については「Bowdoin College」のホームページをご参照ください。

◆Bowdoin College – A Checkup on Wellness at Bowdoin
https://www.bowdoin.edu/news/2023/02/wellness-for-all.html

 
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