「武漢江夏コンテナ医院、中国医学療法を主に使用」という記事が、中国の人民網日本語版のニュースサイトに掲載されています。(人民網日本語版 2020.2.27)
前回もご紹介させていただきましたが、現在、猛威を振るっている新型肺炎について、中国では積極的に中医学(東洋医学)の治療が取り入れられているようです。
そして、その一つに「耳ツボ療法」があるんですね。
武漢江夏コンテナ医院では、中医学治療がメインで実施されていて、今回の記事では肺炎患者23人が退院した、とあります。
漢方薬を始めとして、太極拳や鍼灸、耳つぼマッサージが導入されているようです。
そのことが書かれている部分を下記に引用させていただきます。
江夏コンテナ医院で勤務する医療チームは、複数の省の中国医学機関の数百人の医療スタッフで構成されている。漢方薬を投与するだけでなく、江夏コンテナ医院の医療スタッフは太極拳、八段錦経絡疏通、血行促進を患者に教え、温灸、耳つぼマッサージ、経絡を叩くなどの中国式療法を行い、患者の咳や頭痛などの症状を和らげ、睡眠の質を高め、胃腸機能を回復させ、体質を改善して治療効果を得ている。
耳ツボに鍼をする、いわゆる「耳鍼」には、いくつかの方式がありますが、いずれの方式も耳のツボに対して刺激を加え、体に変化を起こさせる治療法です。
西洋医学的にも耳の部分は「迷走神経(めいそうしんけい)」の支配領域で、その部分の刺激により、体内に影響を与えるといわれています。
耳ツボや耳鍼については当サイトでもいくつかのトピックをご紹介してきました。そちらもあわせてご参照ください。
⇒ 耳ツボってどんなものですか? -「東洋療法雑学事典」更新
耳ツボや耳鍼は「耳介療法」とも呼ばれ、大きくは中国式とフランス式があるんですね。
どちらも広く使用されているようです。
また、今回の新型肺炎に対しては、耳ツボだけでなく、鍼灸やあん摩や太極拳など、さまざまなアプローチがされているようです。
そして特に注目すべきは、「患者の咳や頭痛などの症状を和らげ、睡眠の質を高め、胃腸機能を回復させ、体質を改善して治療効果を得ている。」という部分ですね。
西洋医学は、病気の原因となる病原体に対して、除去する・死滅させるなどの積極的な治療を行います。
一方、中医学・東洋医学では、その人の抵抗力・免疫力をアップさせて病原体と戦える体を作る、ということを目的とするんですね。
そのためには、基本的なことですが食事・睡眠・体力、という部分が重要になってきます。
食事により栄養分が体に取り入れるには、消化器系の働きが整っていることが前提となりますし、体力が回復するには質の高い充分な睡眠が必要になってきます。
それをサポートするのが、鍼灸治療を始めとする東洋医学なんですね。
予防医学の観点からも、鍼灸治療・東洋医学は非常に重要な要素となってきます。
今後も、新型肺炎の脅威はしばらく続くと思いますが、個人個人の体力、そして抵抗力の向上のためには、東洋医学を試してみる価値がありそうですね。
今回の記事の詳細は「人民網日本語版」のサイトをご参照ください。
◆人民網日本語版 – 武漢江夏コンテナ医院、中国医学療法を主に使用
http://japanese.china.org.cn/txt/2020-02/27/content_75751219.htm