東洋療法学校協会の公式サイトの「東洋療法雑学事典」をご紹介させていただきます。
今回は次のテーマについてです。
Q:鍼灸の活躍が期待されている分野には、どんなものがありますか?
Q:ツボを最初に見つけたのは誰ですか?
Q:気とはどういうものでしょうか? 本当にあるのでしょうか?
鍼灸に関する素朴な疑問や質問についてご紹介します。
上記について順にみていきましょう。
Q:鍼灸の活躍が期待されている分野には、どんなものがありますか?
鍼灸は肩の痛みや腰痛を始め、身体のさまざまな不調を改善する治療法として昔から使用されてきました。
ひと昔前は、鍼や灸は「お年寄りがするもの」という印象がありましたが、最近では若い女性の美容分野や、男女問わずスポーツの分野での体のメンテナンス、そしてメンタルヘルスなどの分野でも期待されています。
また、先日の記事でも取り上げましたが、現代医療の分野においても、副作用のある薬の代わりに、鍼灸を応用するケースも出てきました。
このように、さまざまな分野において鍼灸は、人々の健康を助ける治療法として確立されつつあります。
東洋療法雑学事典の回答としては、次のように書かれています。
A:まず、鍼灸には地域の方の健康増進、病気の予防、相談の担い手としての役割があります。
鍼灸は患者さんとの親密な関係をつくりやすいとされます。治療をすることはもちろん、患者さんとのコミュニケーションから重大な異常を察知したり、運動指導や生活指導に関わることで地域に貢献ができると思います。また、スポーツ鍼灸、女性鍼灸や美容鍼灸と呼ばれる分野では社会的な信頼を得ているものもあります。
さらに緩和ケアや人工透析、ストレスによる様々な症状を和らげようとする分野でも、医学的な根拠をもとに鍼灸への積極的な取り組みが行われています。これらの分野では、鍼灸の有効性が認められ、より多くの方の苦痛を軽減できることが期待されています。
今後もいろいろな場面で鍼灸のデータを蓄積し、活用されていくことと思います。
Q:ツボを最初に見つけたのは誰ですか?
ツボについては当サイトでもこれまでに多くのツボについてご紹介してきました。
ツボは、古くは「痛いところに思わず手が行く」というのが出発点だったようですが、現代あらためて調べてみると、ツボの付近には感覚神経が集中している場合が多いことがわかってきています。
ただ、このツボを発見したのは誰かというと、詳しくはわかっていないようですね。
記録もないようです。それだけ古くからあったということでしょう。
回答は次の通りです。
A:ツボ(経穴)の記載については、黄帝内経(こうていだいけい)(紀元前200年頃)
と呼ばれる古代の医学書に記されていたものが最古と言われています。
大昔の大陸(中国)で誰かが見つけ、その効果とともに後世に残したものには違いないでしょう。しかし、今となってはその個人を特定することはできません。
Q:気とはどういうものでしょうか? 本当にあるのでしょうか?
最後は、気についてです。
東洋医学では「気」という言葉がよく登場しますね。
一般的には気は目には見えないけれども、流動的で運動し、作用をおこすとされています。
鍼灸学校で使用される教科書には、「気とは、人体を構成し、生命活動を維持する精微物質を表すとともに、機能を表す言葉でもある。」と記載されています。
なかなかイメージがつかみにくいですが、現代の言葉で表現するならば、「エネルギー」に近いかもしれません。
東洋療法雑学事典の回答としては、次のように書かれています。
A: 東洋医学では、気を「人体を構成する基本物質」と考えています。
気の働きは以下の5つです。
・体を成長、発育させる
・体を温める
・免疫力をアップする
・血液などの必要な物質を体内に留める
・飲食物を変化させ消化、吸収し、不要なものを排出する日本語は「気」と密接に結びついています。
元気」、「気力」、「やる気」、「勇気」、「気分」、「雰囲気」
など、挙げればきりがありません。
日常会話で我々は頻繁に使っているんですね。
みなさんも「気」のつく言葉を考えてみてください。
目に見えないものを我々は感じ取っているのかも知れません。さて、「気」ってあるのでしょうか? ないのでしょうか?
結論は出ていません。
東洋医学の思想」では、「人体を構成する基本物質」と考えていますが、科学的には「気」という
物質の存在は証明されていません。
科学の進歩によって「気」の存在が証明される日が近い将来、訪れるかもしれません。
気はまだまだ解明されていませんが、今後の研究に期待したいですね。
気についての質問は以前にも当サイトでご紹介しました。そちらもあわせてご参照ください。
東洋療法雑学事典では、一般の人が思われるような素朴な疑問に答えています。下記も是非ご参照ください。
その他さまざまなQ&Aは東洋療法学校協会のページで紹介されていますので是非ご覧ください。
公益社団法人 東洋療法学校協会は、下記を活動目的としている団体です。
あん摩マッサージ指圧、はり、きゅうに関する教育の調査研究及び教材等の開発、教員の養成・研修等を行うことによって、あん摩マッサージ指圧師、はり師及びきゅう師の学校養成施設の教育の振興を図り、国民の保健衛生の向上に寄与することを目的としております。
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(「東洋療法雑学事典」のページをご確認ください)
鍼灸についての基本情報をまとめた「鍼灸ファクトブック」も当サイトにはございますので是非ご覧ください。