「手根管症候群に対する鍼治療」という記事がアメリカのコミュニティサイト「Patch」に掲載されています。(Patch 2023.10.6)
「手根管(しゅこんかん)」は、手首の手のひら側にあるトンネルになっている部分です。
そこには、神経と手を曲げる腱が通っているんですね。
手根管症候群はこのトンネルが狭くなって正中神経が圧迫されるため、指先のしびれや痛みを生じる病気です。
初期は手の平から始まり、親指と人差し指、中指、薬指半分のしびれが起こります。
徐々に進行して夜間や明け方に強いしびれや痛みを生じることがあります。
手の使い過ぎが影響して日常よくある病気ですが、更年期の女性ホルモンの低下も原因となっています。
女性ホルモンの分泌が低下すると腱や関節に炎症がおこり、滑膜(かつまく)という関節や腱の周りにある膜が分厚くなるため、手根管の中で正中神経が圧迫されるんですね。
それ以外にも妊娠や骨折、重労働、透析などが原因となります。
進行すると親指の付け根の母指球筋がやせて、縫い物やボタンかけなどの細かい動作がしづらくなります。
親指と人差し指で作るOKサインが困難になったり、手根管周辺に腫瘤がある場合や難治性のものは手術を行うことがあるんですね。
今回の記事では手根管の鍼治療について、以下のように述べています。一部を引用させていただきます。
Acupuncture for carpal tunnel is one of the most effective treatment methods for patients with carpal tunnel syndrome. Independent research confirms that acupuncture for carpal tunnel is more effective than anti-inflammatory drugs. Acupuncture for carpal tunnel relieves pain, inflammation, and numbness and restores motor dexterity.
要約すると次のようになります。
・鍼治療は、手根管症候群の患者にとって、最も効果的な治療法の一つである
・研究では、抗炎症薬よりも効果的であることが確認されている
・手根管の鍼治療は、痛み、炎症、しびれを軽減し、運動能力を回復させる
また、治療方法については、次のように書かれています。
For carpal tunnel treatment, needles are usually inserted in the hands, wrists, and arms; needles may also be inserted in the upper back and neck, along with nerves that run from the spine down the arms to the hands.
要約すると下記の通りです。
・手根管治療では、通常、手、手首、腕に針が挿入される
・針は、背骨から腕を通って手に伸びる神経とともに、背中上部や首にも挿入されることがある
手根管症候群と鍼灸治療については当サイトでもいくつかご紹介いたしました。そちらもあわせてご参照ください。
手根管症候群が疑われるときには、手に負担のかかる姿勢や動作は要注意となります。
各種治療で改善が見込めない場合は、鍼灸治療を試してみてもよいかもしれませんね。
今回の記事の詳細については「Patch」のサイトをご参照ください。
◆Patch – Acupuncture for Carpal Tunnel Syndrome
https://patch.com/pennsylvania/philadelphia/classifieds/gigs-services/397393/acupuncture-for-carpal-tunnel-syndrome