アロマターゼ阻害剤関連の関節痛に鍼治療を推奨 - アメリカ

「ASCO/SIO委員会はアロマターゼ阻害剤関連の関節痛を持つ成人に鍼治療を推奨」という記事が、アメリカの医療情報サイト「Oncology NURSING NEWS」のサイトに掲載されています。(Oncology NURSING NEWS 2022.12.22)

米国臨床腫瘍学会(ASCO)と全米癌統合医療学会(SIO)の専門家によると、アロマターゼ阻害剤(AI)関連の関節痛には鍼治療を推奨すべきとのことです。

「アロマターゼ阻害剤(AI)」とは、閉経後の乳がんのエストロゲンの合成を抑え、乳がん細胞が増殖しないように働くホルモン療法の薬です。

治療薬ではありますがアロマターゼ阻害剤の作用として、体内のエストロゲンの量が少なくなってしまうんですね。

乳がんは乳腺などにできるがんで、乳がんの発生や成長には女性ホルモンであるエストロゲンが関わっています。

閉経後の女性では、男性ホルモンのアンドロゲンから女性ホルモンエストロゲンが作られますが、そのときにアロマターゼという酵素が働くんですね。

その働きを阻害することで、エストロゲンの合成を抑え、がんの成長も抑えるという薬がアロマターゼ阻害剤です。

がんの成長に必要なエストロゲンは少なくなりますが、それにより、更年期障害に似た症状が起こることがあるようです。

例えば、ほてりや多汗、関節痛や骨粗鬆症などの骨症状、中性脂肪や血圧が高くなるなどです。

女性の更年期に、よく聞かれる症状と同じですね。

 
ASCO/SIO委員会では、統合医療として鍼治療以外にも、マッサージや瞑想・ヨガなどの介入もあるとのことですが、鍼治療による介入のポイントが特に高かったそうです。そのため鍼治療をおすすめする、ということなんですね。

そのことが書かれている部分を下記に引用します。

“Since AI-related joint pain affects up to 50% of women on this class of drug and negatively affects quality of life and adherence to hormonal treatment, we recommend that acupuncture should be used for management of this painful condition,” the panel wrote.

要約すると次のようになります。

・アロマターゼ阻害剤(AI)関連の関節痛は、このクラスの薬を服用している女性の最大50%に影響を及ぼし、生活の質とホルモン治療への順守に悪影響を与えるため、この痛みを伴う状態の管理には鍼治療を使用することをすすめる

 
当サイトでも以前、アロマターゼ阻害剤関連の関節痛に対して鍼灸治療が効果的という話題を取り上げました。そちらもあわせてご参照ください。

 ⇒ がんの治療に伴う関節痛に鍼灸

 ⇒ 乳がん治療薬の副作用には鍼灸がおすすめ

 
今回の記事の詳細については、「Oncology NURSING NEWS」のサイトをご参照ください。

◆Oncology NURSING NEWS – ASCO/SIO Panel Recommends Acupuncture For Adults With Aromatase Inhibitor? Related Joint Pain
https://www.oncnursingnews.com/view/asco-sio-panel-recommends-acupuncture-for-adults-with-aromatase-inhibitor-related-joint-pain

 
hizaitami21b