「中国初 中医学主体の臨時病院が開院=武漢市」という記事が、中国のCRI(中国国際放送局 China Radio International)のニュースサイトに掲載されています。(CRIニュース 2020.2.14)
2月上旬より世界的に話題となっている、新型コロナウィルスによる肺炎のニュースですが、日に日に日本への影響も大きくなってきています。
新型コロナウイルスに関する詳しい情報は、厚生労働省のサイトにも掲載されていますのでご参照ください。
さて、このCRIのニュースでは、次のように書かれています。
主に中医学で新型肺炎を治療する臨時病院として、武漢市江夏区の「大花山臨時病院」が14日に開院しました。
中国の武漢に、中医学つまり東洋医学で新型肺炎を治療する病院ができたとのことですね。
漢方薬や鍼灸、あん摩などを使って、新型肺炎の患者さんを治療するということです。
病床の数は400床で、開院当日には50人の患者さんを受け入れたそうです。
所属する医師は、天津中医薬大学を中心に200人以上集められたとのことです。下記に引用させていただきます。
現在、天津中医薬大学の張伯礼学長が、国内5つの省・市の「三甲医院(中国の病院の等級で、『三甲医院』は最高クラス)」から集まった209人からなる医療チームを率いて、この病院での治療に当たっています。医師たちは中医学に基づき、中薬、按摩、針灸などによる治療を行います。
天津は、病院での鍼灸治療が盛んなことで有名です。
その天津で、最高クラスの病院が作られたということなんですね。
「医師が中医学に基づいて中薬、按摩、針灸による治療を行う」ということですが、そもそも今回のこの新型肺炎に東洋医学が有効なのでしょうか。
漢方薬というと「長期間にわたり飲み続ける」という印象があります。
しかしながら昔から、インフルエンザにも有効な漢方薬というのがあります。
それは「麻黄湯(まおうとう)」です。
「熱性疾患の初期」には、この麻黄湯により、患者の免疫機能が促進されるといわれています。
現在で言うところのタミフルやリレンザなど、インフルエンザの薬に匹敵する効果が認められているそうです。
今回のこの新型肺炎に、どのような漢方薬が使用されるかは不明ですが、「免疫機能を高める」という意味において、麻黄湯のような漢方薬が使用されるのかもしれませんね。
また、鍼灸治療やあん摩については、どうなのでしょうか。
こちらもやはり、人間がもともと持っている免疫機能・抵抗力を高める、という目的ではないかと思います。
鍼灸は体のバランスを整えたり、筋緊張の緩和、血流の改善、という効果が期待されるのでしょう。
これについては、カゼに対して鍼灸はどうなのかという下記の記事とも関連するかと思います。ご参照ください。
⇒ 風邪の症状に鍼灸の効果はある? -「東洋療法雑学事典」更新
今回のニュースのように、東洋医学が西洋医学と協力して感染症に立ち向かうというお話は非常に興味深いと思います。
鍼灸を始めとした東洋医学の可能性に期待したいですね。
今回の記事の詳細は「CRIニュース」のサイトをご参照ください。
◆CRIニュース – 中国初 中医学主体の臨時病院が開院=武漢市
http://japanese.cri.cn/20200215/65c6f765-f83e-8e78-decf-786f2a3b44da.html