鍼治療は痛風の症状軽減に効果的 - アメリカ

「鍼治療は痛風の軽減に効果的」という記事がヘルスCMIのサイトに掲載されています。(HealthCMi ヘルスケア医学研究所)

痛風は、尿酸が体内にたまり、結晶となって関節炎を引き起こす病気です。

尿酸そのものは体内で必要なものですが、体の代謝の働きが低下したり、食物からプリン体を過剰摂取したりすると、尿酸が関節に蓄積して関節炎になるようです。

この関節炎は突然発症し痛みが激しいため、この病名「痛風 (風が吹いても痛い)」という名がついたようですね。

放置していると、痛風発作が起きやすくなったり、痛風結節といって関節炎の影響によるコブができてしまうこともあります。

 
痛風の主な治療は、血液中の尿酸値を下げる薬を服用するというのが一般的です。

関節炎に対しては炎症を抑える薬が使われることになります。

今回の記事では、痛風の患者に対し鍼治療による効果がみられたとのことです。

 
この研究では、急性痛風性関節炎の合計92人の患者を薬物群と鍼治療群に分けて実験したようです。

薬物群の患者は、インドメタシン系の錠剤を1日2回、10日間服用するように処方されました。

鍼治療グループの患者は薬物療法は無しで、次の主な経穴で鍼治療がされたようです。

・足三里(ST36)
・三陰交(SP6)
・陰陵泉(SP9)
・曲池 (LI11)
・Ashiポイント

 
薬物群の患者に症状軽減の効果が見られたのと同時に、鍼治療グループにも効果が見られたようです。

効果があったことについて書かれている部分を下記に引用させていただきます。

The total effective rates were calculated for each group. Patients whose clinical symptoms and uric acid levels had returned to normal were classified as recovered. Patients that showed improved symptoms and better uric acid levels were classified as improved. Patients that did not show any improvements in either area were classified as ineffective. In the drug group, there were 9 recovered and 23 improved patients, giving a total effective rate of 32 (69.57%). In the acupuncture group, there were 12 recovered and 28 improved patients, giving a total effective rate of 40 (86.96%).

要点は以下の通りです。

◆総実効率は各群について計算、臨床症状および尿酸値が正常に戻った患者は回復したと分類。

◆どちらの領域でも改善が見られなかった患者は無効と分類。

◆改善された症状およびより良好な尿酸値を示した患者は改善されたと分類。

◆薬物グループでは、9人の回復した患者と23人の改善した患者がいて、合計32の有効率(69.57%)。

◆鍼治療グループでは、12人の回復した患者と28人の改善した患者がいて、40人の総実効率(86.96%)。

 
このことから、薬はもちろん効果があったけれども、

鍼治療が痛風の治療のためにNSAID(非ステロイド系抗炎症薬)に代わる効果がみられた、といえそうですね。

そして鍼治療は薬物のような副作用はほとんどないといわれていますので、安全面についてもメリットがありそうです。

 
関節炎や各種炎症に対して鍼灸治療が有効とみられるという話題は、当サイトでも過去に何度かご紹介させていただきました。

こちらもあわせてご参照ください。

 ⇒ 膝関節症と鍼灸治療 - アメリカ

 ⇒ 婦人科系の炎症に鍼と灸の併用が有効 - アメリカ

炎症や痛みの軽減に鍼灸治療が活用されるケースが、だんだんと増えてきていますね。

 
今回の記事の詳細は、「HealthCMI」のサイトをご参照ください。

◆HealthCMI – Acupuncture Beats Drug For Gout Relief
https://www.healthcmi.com/Acupuncture-Continuing-Education-News/1951-acupuncture-beats-drug-for-gout-relief

 
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