インド初の野生動物鍼灸ワークショップ開催 - インド

「希望の針:ワイルドライフSOSがインド初の野生動物鍼灸ワークショップを開催」という記事が、インドの野生動物保護団体「Wildlife SOS」のWebサイトに掲載されています。(Wildlife SOS 2025.3.4)

ワイルドライフSOSはインドの野生動物保護団体であり、苦しんでいる野生動物を救うために活動しています。

野生動物と人間が生活空間を奪い合い、互いに命を脅かす存在になっているインドで、野生動物を救う活動を行っています。

救助された動物たちと関わり、彼らのリハビリの物語を学べるツアーを提供もしているそうです。

 
この記事では、インドのマトゥラにあるWildlife SOSのエレファント・ホスピタル・キャンパスで、2025年2月14日から16日にかけて鍼治療の初のワークショップが開催されたことが書かれています。

このイベントは中国伝統医学(TCM)を基にした獣医鍼治療が初めて正式に導入される歴史的な機会であり、著名な獣医師や専門家が集まったんですね。

列車事故で半身麻痺を負った子象バニが治療の焦点となり、鍼治療や理学療法を含む新しい方法が試されたそうです。

このワークショップでは痛みの管理、神経治癒、外傷ケアに鍼治療が有効であることが示され、参加者は象への実践的な技術を学んだようです。

そしてこの取り組みは、インドの野生動物医療の変革に向けた重要な一歩となったということですね。

 
ケガを負ったゾウに対する鍼灸治療で、ケガの治癒に対する鍼灸の働きや役割がこのワークショップの3日目で説明されています。そのことについて書かれた部分を下記に引用させていただきます。

Day 3: Neurological Healing & Trauma Care
The grand finale of the workshop zeroed in to the remarkable role acupuncture plays in tackling neurological disorders, aiding trauma recovery, and facilitating wound healing. Dr. Xie elaborated on the ways acupuncture promotes nerve regeneration, diminishes inflammation, and speeds up the healing process after injuries. This was particularly poignant for Bani, who has endured nerve damage from a harrowing train collision.

要点は次の通りです。

・3日目: 神経学的治癒と外傷ケア

・ワークショップのグランドフィナーレでは、神経疾患の克服、外傷からの回復、創傷治癒の促進において鍼治療が果たす素晴らしい役割に焦点を当てた

・謝医師は、鍼治療が神経再生を促進し、炎症を軽減し、負傷後の治癒プロセスを早める仕組みについて詳しく説明した

・これは、恐ろしい列車衝突事故による神経損傷に苦しんでいるバニにとって特に心に響くものだった

このように、傷の治癒において、鍼灸治療が治りを早めるということなんですね。

 
傷や運動器の問題に対する鍼灸治療については、当サイトでもいくつかご紹介してきました。そちらもあわせてご参照ください。

 ⇒ 鍼治療による傷跡の改善 - アメリカ

 ⇒ ボクサーの肘の負傷に鍼灸治療 - イギリス

 ⇒ スポーツ障害に鍼灸は効くの?

人間にとっても動物にとっても、傷を負った状態の体に鍼灸治療を試すことは、治癒のために効果的ということですね。

 
今回の記事の詳細については「Wildlife SOS」のサイトをご参照ください。

◆Wildlife SOS – Needles of Hope: Wildlife SOS Hosts India’s 1st Wildlife Acupuncture Workshop
https://wildlifesos.org/needles-of-hope-indias-1st-acupuncture-workshop-at-wildlife-sos/

 
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(画像はWildlifeSOSより引用)