「多くの人が知らない…『鍼灸で肩こりが改善する』ときに、人体で起きている驚きの『現象』」という記事が現代ビジネスのサイトに掲載されています。(現代ビジネス 2024.11.13)
鍼灸治療によって腰痛や肩こりが改善するという話題はよく取り上げられますし、鍼がそれらに効くということもなんとなく知られています。
しかしながら、どうして鍼灸治療が痛みを改善するのか、についてはよくわからないという人も多いことでしょう。
一般的に考えられているのは次のような内容です。
・鍼を刺すことで局所的な血流が促進され酸素や栄養素の供給が改善される
・これにより筋肉の緊張が緩和され、肩こりの痛みが軽減される
あるいは、鍼灸は自律神経の調整にも役立つといわれています。
自律神経のバランスが整うことでストレスや疲労が軽減されて、肩こりの原因となる筋肉の緊張が和らぐということなんですね。
そして、鍼灸は深い部分の筋肉にもアプローチできるため、マッサージでは届かない部分の筋肉の緊張をほぐすことができる、ともいわれています。
今回の記事では、その「鍼灸によって血流がよくなり、筋肉の緊張がなくなり、肩こりが改善する」ということについて、少し専門的な内容で記載されています。
そのキーワードとしては、「フレア」「軸索反射」「血流増加」などです。
「フレア」というのは、英語では flare と書きますが、「燃え上がる炎」「ひろがり」「炎症」「発赤」などの意味があります。
そして「軸索反射」というのは簡単に表現すると、刺激を受けた皮膚の近くにある感覚神経から、別の場所に刺激が伝わり、さらにその神経から枝分かれしている神経にも刺激が伝わっていくことです。
つまり、体の一部に鍼を刺すことで、神経を経由して刺激が広がり、血管拡張によって血流増がが発生し、鍼を刺した周辺が赤くなる、という現象が起こるんですね。
そして、今回の記事では、鍼灸によってなぜ肩こりが改善するのかということについて、次のように書かれています。一部を引用させていただきます。
鍼灸による軸索反射が起こると、血流の増加によって痛みのある部位にとどまっていた物質が除去され、鎮痛効果が得られるというわけです。鍼灸師の方に話を聞くと、フレアの反応を見ることで鍼の効き具合を確認している方も多いと言います。皆さんも、鍼灸治療を受けたときには、ぜひフレアをご覧になってはいかがでしょうか。
つまり、肩こりは、さまざまな体への負荷によって血行不良が引き起こされ、その結果痛みが生じていて、鍼灸による血流増加と血流改善によって、とどまっていた物質が流れたり、鎮痛作用がおこる、と考えられているようです。
鍼灸治療と痛みの改善については、当サイトでもいくつかご紹介してきました。そちらもあわせてご参照ください。
肩こりや腰痛などの慢性の痛みに対して鍼灸治療をおこなうことで、血流増加や神経の働きにより痛みが改善していく可能性があるということですね。
今回の記事の内容は、講談社ブルーバックスシリーズにて販売されている『東洋医学はなぜ効くのか』という書籍が元になっているようです。
この書籍はNHKのディレクターである山本高穂氏と、医師の大野智氏によって書かれた書籍です。
NHKでちょくちょく放映されてる「東洋医学」の番組とも関連があるようです。
今回の記事の詳細についてはコロラド大学アンシュッツ医療キャンパスのサイトをご参照ください。
◆現代ビジネス – 多くの人が知らない…「鍼灸で肩こりが改善する」ときに、人体で起きている驚きの「現象」
https://gendai.media/articles/-/141185