鍼治療で医師がランニングを再開 - アメリカ

「鍼治療で医師がランニングを再開」という記事がアメリカのコロラド州のコロラド大学アンシュッツ医療キャンパスのサイトに掲載されています。(Anschutz Medical Campus 2024.11.11)

この記事では、ランニングや健康維持が好きな医学博士である教授が、腰痛や股関節痛に対して鍼治療で改善したことが書かれています。

腰痛や股関節痛などが慢性化すると、なかなか改善せず、つらいものです。

慢性の痛みを改善させるためによく試される方法としては、温熱療法や理学療法、ストレッチや筋力強化運動などがありますね。

この教授もさまざまな方法を試したそうですが、すべて失敗したとのことです。

 
そして、鍼治療を試してみたところ、想像以上に改善したということなんですね。

記事によると胆経という経絡上に鍼をしたり、耳のポイントに鍼をしたようです。

股関節痛は腰の横に痛みが出やすく、また、胆経も股関節や体の横を走行していますので、腰痛や股関節痛にはよく使用される経絡です。

腰痛には膀胱経もよく使われます。

 
鍼が体に刺されると、体内ではさまざまな反応が起き、血流の改善や体内のアンバランスの改善が期待されます。

そのことが書かれている部分を下記に引用させていただきます。

Asked what happens physically when the needles are inserted, Watts said, “It creates a micro injury, so the body notices what’s going on. And it’s not just locally (at the needle insertion). It affects the energy flowing throughout the body. So, with the 12 meridians, each one is active for about two hours a day, and they flow into one another.

要点は次の通りです。

・針を刺すと身体に何が起こるのかと尋ねられたワッツ氏は次のように答えている

・微小な損傷が作られるので、身体は何が起こっているのかに気づく

・そしてそれは単に局所的(針を刺した場所)だけではなく身体全体に流れるエネルギーに影響する

・つまり12の経絡のうち、それぞれが1日約2時間活動し互いに流れ込む

また、西洋医学の特徴についても次のように書かれています。一部を引用いたします。

“Western medicine is recognizing … that we have to look at medicine for the whole person, not just parts,” Watts said. “Everything does affect everything else.”

要点は次の通りです。

・西洋医学は、医療を人体の一部分だけではなく、全体にわたって見なければならないことを認識している

・すべてのものは他のすべてに影響を与える

 
当サイトでも鍼灸の効果について各種ご紹介してきました。そちらもあわせてご参照ください。

 ⇒ 鍼灸の効果

 ⇒ 鍼灸の効果について医師が解説

 ⇒ 鍼灸の効果はどんな症状に? -「東洋療法雑学事典」更新

まだまだ深く解明されていない鍼灸の効果ですが、今後は少しずつ分かってくることが増えていき、また、人々の健康維持に役立つ場面が増えていくかもしれませんね。

 
今回の記事の詳細についてはコロラド大学アンシュッツ医療キャンパスのサイトをご参照ください。

◆Anschutz Medical Campus – Say Chi: Acupuncture Gives Doctor Her Running Back
https://news.cuanschutz.edu/news-stories/say-chi-acupuncture-gives-doctor-her-running-back

 
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