「鍼治療は乾癬性関節炎の治療に効果的ですか?」という記事がアメリカの健康情報サイト「ヘルスセントラル(HealthCentral)」に掲載されています。(HealthCentral 2024.5.23)
乾癬性関節炎というのは、皮膚疾患である乾癬(かんせん)に関節の炎症が合併する病気です。
乾癬は皮膚に炎症が生じて、新陳代謝が亢進し皮膚がはがれる症状を引き起こします。
乾癬性関節炎では、この皮膚症状に加えて手足の関節が腫れたり痛んだりすることがあるんですね。
原因は不明ですが、自己免疫反応によって炎症に関与するタンパク質(サイトカイン)が関節周辺に過剰に生成されることが考えられています。
この記事では、乾癬性関節炎の症状である痛みや関節の腫れ、こわばりが、鍼灸によって軽減したと書かれています。
自己免疫の問題によって関節炎を引き起こすリウマチなども、鍼灸治療によってある程度の効果があることがわかっています。
少なくとも痛みの改善や炎症の軽減に、鍼灸の効果があるということなんですね。
そのことが書かれている一部を下記に引用させていただきます。
While the exact mechanism by which it might work is still being explored, according to the Journal of Chiropractic Medicine, acupuncture may help normalize the immune system by controlling inflammatory cytokines. Supporting this theory, a review of eight studies looking at acupuncture and another common immune-related disease, rheumatoid arthritis (RA), found the practice lessened joint pain and inflammation.
要点は次の通りです。
・正確な作用機序はまだ研究中だが、Journal of Chiropractic Medicineによると、鍼治療は炎症性サイトカインを制御することで免疫系を正常化するのに役立つ可能性がある
・この理論を裏付けるように、鍼治療ともう1つの一般的な免疫関連疾患である関節リウマチ(RA)を調べた8件の研究のレビューでは、鍼治療によって関節の痛みと炎症が軽減されることが分かった
自己免疫疾患や関節炎、痛みに対する鍼灸治療については、当サイトでもいくつかご紹介してきました。そちらもあわせてご参照ください。
⇒ 難病リウマチでの薬漬け脱却のために鍼灸 - 現代ビジネス
痛みの軽減と、炎症の緩和というのは、やはり体の自然な働きを高めるという意味において鍼灸が効果的なのかもしれません。
鍼灸では「免疫系の調整」「抗炎症作用」「ストレス軽減」などの効果が期待されています。
どれも体内のバランスを整えることで症状が改善していくと考えると、鍼灸は体内の調節機能に働きかけることで効果が発揮されるということなのかもしれませんね。
今回の記事の詳細については「ヘルスセントラル」のサイトをご参照ください。
◆HealthCentral – Is Acupuncture Effective in Treating Psoriatic Arthritis?
https://www.healthcentral.com/condition/psoriatic-arthritis/acupuncture-for-psoriatic-arthritis