鍼治療が関節リウマチ患者の脳卒中リスク低下の可能性 - アメリカ

「鍼治療は関節リウマチ患者の脳卒中リスクを低下させる可能性がある」という記事がアメリカの医療情報サイト「News Medical」に掲載されています。(News Medical 2024.2.13)

関節リウマチは、免疫の異常によって主に手足の関節が腫れたり痛んだりする病気です。

進行すると骨や軟骨が壊れて関節が動かせなくなり日常生活が大きく制限されます。

また炎症は関節だけでなく、目や肺などの全身に拡がることもあるんですね。

そして関節リウマチは心房細動や心筋梗塞、脳卒中など、脳心血管病変の発症リスクが高いことが知られています。

 
今回の記事では、鍼治療によって関節リウマチに伴う脳卒中のリスク上昇を抑制する可能性があるということが、オープンアクセスジャーナルBMJ Openに掲載された比較研究で示されました。

鍼治療によって炎症に関連する体内の炎症誘発性タンパク質(サイトカイン)のレベルが低下する可能性がある、とのことです。

そのことが書かれている部分を下記に引用させていただきます。

The effects seem to be independent of sex, age, medication use, and co-existing conditions, the findings indicate, prompting the researchers to suggest that the procedure may reduce levels of pro-inflammatory proteins (cytokines) in the body that are linked to cardiovascular disease.

要点は次の通りです。

・この効果は性別、年齢、薬物使用、併存疾患とは無関係であるようであると研究結果は示している

・研究者らはこの処置により炎症に関連する体内の炎症誘発性タンパク質(サイトカイン)のレベルが低下する可能性があると示唆している

この記事では、鍼治療グループに虚血性脳卒中は少なかったものの、これは観察研究であるため、因果関係について確固たる結論を引き出すことはできない、と書かれています。

 
関節リウマチに対する鍼治療や、慢性の痛みに対する体調改善のための鍼治療については、当サイトでもいくつかご紹介してまいりました。そちらもあわせてご参照ください。

 ⇒ 難病リウマチでの薬漬け脱却のために鍼灸 - 現代ビジネス

 ⇒ 鍼治療は慢性的な痛みに効果ありか - アメリカ

 ⇒ 鍼治療が慢性疼痛患者の睡眠を改善 - アメリカ

 
鍼治療によってリウマチ患者の炎症性物質が低下する可能性については、そのメカニズムはまだまだ解明されないかもしれません。

しかしながら、鍼灸治療によって痛みがおさまり、鍼灸治療によって炎症を鎮める効果が期待できるということであれば、患者さんの日常生活の向上にもつながりますね。

 
今回の記事の詳細については「News Medical」のサイトをご参照ください。

◆News Medical – Acupuncture may lower stroke risk in rheumatoid arthritis patients
https://www.news-medical.net/news/20240213/Acupuncture-may-lower-stroke-risk-in-rheumatoid-arthritis-patients.aspx

 
hand123