鍼灸がうつ症状を改善 専門医が学会発表 - 日刊ゲンダイ

「『鍼灸』がうつ症状を改善する 専門医がうつ病学会で発表」という記事が、日刊ゲンダイのヘルスケアのサイトに掲載されています。(日刊ゲンダイ 2021.3.24)

この記事では、鍼灸治療をすることで、うつ病の症状が改善されるということが書かれています。

神奈川県立精神医療センター・昭和大学発達障害医療研究所の中村元昭医師が、2008年から行った臨床研究の結果を、第17回日本うつ病学会で発表したとのことです。

欧米では、うつ病に鍼灸治療が効果的であるということがよく知られているんですね。

当サイトでも、ストレスや鍼灸との関わり、うつ病に対する鍼灸治療についていくつかご紹介してきました。そちらもあわせてご参照ください。

 ⇒ 鍼灸治療はストレス軽減と睡眠の質を改善

 ⇒ イギリスの研究でも支持されたうつ病への鍼灸の効果 - アメリカ

 ⇒ 不眠症に有効な認知行動療法と鍼の併用 - アメリカ

 
鍼灸治療は自律神経に働きかけて、身体の緊張を緩める効果があるといわれています。

一般的にうつ病は、抗うつ剤による治療になることが多いですが、体調が思うように改善しない場合もあるようですね。

今回の研究では、鍼灸治療によって自律神経の症状が改善するという結果が出たんですね。

そのことが書かれている部分を下記に引用させていただきます。

「自律神経の症状は西洋医学の治療では手が届かない部分で、抗うつ薬の副作用でかえって身体症状が悪化する場合も少なくありません。抗うつ薬で心の症状が改善し、抗うつ薬を減らしていけば体の症状も軽減していく一方で、患者さんは『気持ちは楽になったけど体の調子が悪い』と訴える。それが、今回の鍼灸を用いた研究で、抑うつ、怒り、不安といった心の症状だけでなく、自律神経の症状も改善するという結果が出たのです」

 
鍼灸治療のメカニズムはまだまだ解明されていない部分が多いですが、過緊張の改善や、血液循環の改善については、いくつかの研究結果で明らかになってきています。

うつ病は、こころの緊張状態が継続するのと同時に、体も緊張状態になるんですね。

鍼灸治療をすることで、その緊張が緩和し、心も体も「ゆるむ」ということを覚えるのではないかと思います。

この記事では、鍼灸治療によってストレスホルモンが減る、というお話も少し紹介されています。下記に引用させていただきます。

今後さらなる研究が必要ですが、昭和大学の生理学の先生がネズミに鍼灸を行ったところストレスホルモンが減少したというデータを出しており、鍼灸が人にも同様の結果を出している可能性があります

 
この記事の最後にもかかれていますが、「ゆくゆくは、精神科と鍼灸で手を組んで集学的なうつ病治療を行うことも考えている」とのことです。

今後も鍼灸治療の活躍の場が、ますます広がっていきそうですね。

 
今回の記事の詳細については、日刊ゲンダイのサイトをご参照ください。

◆日刊ゲンダイ ヘルスケア – 「鍼灸」がうつ症状を改善する 専門医がうつ病学会で発表
https://hc.nikkan-gendai.com/articles/276052

 
ochikomi1a