病院の救急処置室(ER)にも鍼治療が取り入れられているという記事が、アメリカの地方紙のサイトに掲載されています。(journal sentinel ジャーナルセンチネル)
ウィスコンシン州の西アリス医療センターは、救急処置室で鍼治療を行う、アメリカ国内でも2つしかない病院のひとつです。
ここに鍼治療が導入されたのは2017年1月でした。すでに実績が積み重ねられています。
例えば、激しい腹痛を訴える患者や、しゃっくりが止まらず腹痛もある患者が搬送されてきたとき、鍼治療で痛みが緩和したため薬は使わずに済んだそうです。
また、顔半分が麻痺して垂れ下がった状態で担ぎ込まれた84歳の女性は、西洋医学では手立てがないことから鍼治療をしたところ、すぐに顔が元に戻ったそうです。
救急処置室では、痛みや吐き気、不安などの激しい症状を緩和した上で治療に入るので、薬を使わずに最初の問題をクリアできるというのは大きなメリットになるわけですね。
とはいえ、すんなりと導入されたわけではなかったようです。
救急部のマイケル・アーバン医師をはじめ、患者本人や家族も、はじめは懐疑的な目を向ける人が多かったんですね。
薬物中毒の患者が救急搬送されてくることが多いこの病院の状況を説明している部分を以下に引用します。
要点は以下のようになります。
◆薬物を過剰摂取した中毒患者の処置や解毒治療が医者として毎日やるべき仕事になってしまっているということが問題だった、とアーバン医師は言う。
救急患者の痛みを取るたびに薬物中毒の心配もしなければいけない毎日で、お医者さんも悩んでいたわけですね。
はじめのうちは懐疑的だったアーバン医師も、現在はこの試みに誇りを感じているそうです。
当サイトでは、痛みの治療で活用される鍼灸についての記事を紹介しています。こちらもご参照ください。
痛みに対する対処法として鍼灸が採用されるというのは、だんだんメジャーになりつつありますね。
今回の記事の詳細は「ジャーナルセンチネル」のサイトをご参照ください。
◆journal sentinel – Easing the agony: West Allis hospital finds acupuncture helps in emergency room
https://www.jsonline.com/story/communities/southwest/news/west-allis/2018/11/26/acupuncture-eases-pain-without-using-painkillers-west-allis-er-finds/2057572002/