痛みの治療にはアメリカの退役軍人局診療所も鍼灸をもっと取り入れるべきと、医療従事者向け月刊誌のニュース配信サイトが報じています。(AJMC アメリカン・ジャーナル・オブ・マネージド・ケア)
薬物中毒が広がったアメリカでは、痛みの治療では薬物の代わりに鍼灸を選択できるようになりました。
ただその一方で、退役軍人局をはじめとする機関などで、現在も鍼灸治療に抵抗しているところがあるそうです。
当サイトでは以前、アメリカの退役軍人の医療が変わり始めているというニュースを紹介しました。こちらもご参照ください。
退役軍人局診療所は、鍼灸を積極的に取り入れているところばかりではないということみたいです。
また、積極的な鍼灸治療を実施している神経科医は、じつは簡単な鍼灸訓練を受けて施術を行うようになったそうです。
例えば、ある医師の場合は300時間の訓練コースを修了してすぐに日々の診療に生かすようになったとのことです。
それによる財政的なメリットにも触れていますが、そういうことだけでなく、もっと大事な部分で必要性があると述べている部分を以下に引用します。
要点は以下のようになります。
◆疼痛管理計画の中で、鍼灸治療はもっと迅速に考慮されるべきである。
◆医学の専門分野の中で神経科医は毎日の治療に鍼灸を組み込んでリードしていくのに特に適している。
さらに、鍼灸の技能は、すべての神経科医の診療に求められる技能であるべきとも言っています。
つまり、鍼灸を医学教育の中に取り入れるべきだと言っているわけですね。
鍼灸治療に抵抗している医療施設がある一方で、鍼灸を医学教育に含めることを望む声も出ているのが現在のアメリカのようです。
鍼灸ももちろん万能ではありませんから効果が出にくいケースもあるかと思います。
でも、医学の中に鍼灸治療が取り入れられれば、その可能性はより広がっていくかもしれませんね。
今回の記事の詳細は「アメリカン・ジャーナル・オブ・マネージド・ケア」のサイトをご参照ください。
◆AJMC – Acupuncture May Be Effective Nonopioid Treatment for Pain in the VA
https://www.ajmc.com/newsroom/acupuncture-may-be-effective-nonopioid-treatment-for-pain-in-the-va