イギリスの国営医療サービス事業にもっと鍼灸を活用してもらおうと鍼灸団体が働きかけている記事が、国の広報サイトに掲載されています。(OPEN ACCESS GOVERNMENT オープンアクセス政府)
11月15日は世界鍼灸の日と定められ、今年初めてユネスコで正式に祝われることになりました。
その活動の一環として、イギリスでは鍼灸団体が家庭医に鍼灸の有効性をアピールする活動をしているそうです。
イギリスといえば、病院に行ったときにかかる医療費は無料なんですね。
医療サービスを受けるには、まず家庭医の診察を受けてから必要な検査や治療を受けることになりますが、大きな病院で手術や入院をしても無料です。
ただし、初診の予約も検査も処置も、何週間も待たされることが多いのが現実だそうです。
夢のような医療制度でも、医療を求める人が増加している中で資金や労働力が不足していて、解決しなければならない課題は多いようです。
英国鍼治療評議会の責任者であるマーク・ボビー氏は、こうした問題に対処していくうえで東洋医学は実行可能な選択肢になると意見を述べています。
もしも、家庭医が患者を鍼灸師に紹介すれば、イギリスの医療の問題は劇的に緩和する、とも述べています。
具体的に述べている部分を以下に引用します。
要点は以下のようになります。
◆鍼灸は痛みの治療で確かなエビデンスがある。
◆ヨーロッパでは5人に1人が中等度から重度の慢性疼痛を患っているが、鍼灸治療は腰痛、頭痛、片頭痛、変形性関節症などに効果がある。
さらに、アメリカではオピオイド(麻薬)中毒の広がりの中で鍼灸が選択できるようになったことにも触れて、臨床医は痛みに対する治療法を模索するよい機会だと訴えています。
当サイトでは、アメリカで鍼灸が痛みの治療の選択肢に加えられたことを紹介しています。こちらもご参照ください。
世界的には鍼灸治療は徐々に、さまざまな形で浸透してきているようですね。
今回の記事の詳細は「オープンアクセス政府」のサイトをご参照ください。
◆OPEN ACCESS GOVERNMENT – UK clinicians urged to prescribe acupuncture to help ease NHS pressures
https://www.openaccessgovernment.org/uk-clinicians-urged-to-prescribe-acupuncture-to-help-ease-nhs-pressures/53941/