北京漢方医学研究所で実施されたアレルギー性鼻炎の臨床試験で、鍼灸治療により症状緩和の有効性が示されたと、北米で鍼灸オンライン教育コースを提供しているサイトで紹介しています。(HealthCMi ヘルスケア・メディシン・インスティテュート)
アレルギー性鼻炎というのは、鼻の粘膜に付いた原因物質(アレルゲン)を排除しようとする反応が過剰に起きて鼻炎症状が続く状態をいいます。
主な症状は、くしゃみ、鼻水、鼻づまりですね。
重い症状ではありませんが、生活の質への影響が大きく、仕事の生産性も低下させてしまいます。
アメリカでは、約4600万人がこのアレルギー性鼻炎に罹患しているそうです。
つらい症状を和らげるため、病院ではさまざまな薬を使いますが、それぞれ副作用があるため、妊婦、小児、高齢者と特定の病気の患者には使えません。
今回の記事によると臨床試験では、2602人の患者を、経絡やツボの異なる30のグループに分けて試験が実施されたそうです。
具体的な治療は、胃・腸・肺の経絡の気の流れを滑らかにし、鼻孔の障害物を取り除くというもの。
試験結果についての解説の部分を以下に引用します。
要点は以下のようになります。
◆研究者らは、鍼灸治療は、単独あるいは漢方薬と併用して、または西洋医学の薬剤と組み合わせて、長期的にも短期的にも症状を軽減すると結論づけている。
つまり、鍼灸だけでも他の治療法と組み合わせても、いずれもアレルギー性鼻炎の症状緩和に有効であることが示されたわけですね。
当サイトでは、アメリカ頭頚部学会のガイドライン(2015)にアレルギー性鼻炎の鍼治療が掲載されたという記事を紹介しています。こちらもご参照ください。
また、現在のアメリカ国立衛生研究所(NIH)のウェブサイトを見ると、耳鼻咽喉科学会発行の診療ガイドラインにもアレルギー性鼻炎の鍼灸治療が推奨されています。
日本でも徐々に鍼灸治療の守備範囲は増えてきているようですが、アメリカでは診療ガイドラインに鍼灸治療が掲載されているんですね。
今後の日本における鍼灸治療も、そのようになっていくかもしれませんね。
今回の記事の詳細は「ヘルスケア・メディシン・インスティテュート」のサイトをご参照ください。
◆HealthCMi – 2018.04.26 Acupuncture Relief Of Nasal Allergies Confirmed
http://www.healthcmi.com/Acupuncture-Continuing-Education-News/1846-acupuncture-relief-of-nasal-allergies-confirmed