2017.03.09 OUPblog
鍼治療とニセ鍼治療によるプラセボ効果の違いについてはさまざまな論争が続いていますが、イギリスのオックスフォード大学出版学科のブログで、そのなぞに迫る論文について解説しています。
アメリカのハーバード大学医学部准教授のビタリー・ナポド博士は、手根管(しゅこんかん)症候群の痛みの感覚は脳内の地図に再マッピングされることを学術専門誌に発表しました。
ニセ鍼治療は皮膚を介して脳に伝えられるため、ニセの薬よりも強いプラセボ効果を生じさせる可能性があることもわかったそうです。
鍼治療とニセ鍼治療で手根管症候群の症状が改善された理由について述べている部分を以下に引用します。
要点は以下のようになります。
◆ニセ鍼治療は、脳内の既知のプラセボ回路を調節することによって「機能する」可能性がある。
◆本物の鍼治療は、手首の末梢神経への血流を調節することに加えて、体性感覚皮質を書き換えることによって症状を改善する。
痛みの感覚が脳内の地図に再マッピングされるということは、ツボにも関わることがわかってきたようです。
鍼灸治療はどのように機能するものなのか、さらに詳しく解明してほしいですね。
当サイトでは、鍼灸のプラセボ効果について書かれた記事も紹介しています。こちらもご参照ください。
なかなか解明が難しい鍼灸の世界ですが、だんだんと世の中に浸透してきているようにも思えます。
これからも国民の皆様に鍼灸治療の素晴らしさを知ってもらえるように各種情報をご案内させていただきたいと思います。
今回の記事の詳細についてはオックスフォード大学のOUPブログをご参照ください。
◆OUPblog – How does acupuncture work? The role of S1 remapping
https://blog.oup.com/2017/03/sham-acupuncture-s1-remapping/