「鍼治療は湿疹の有効な治療法ですか?」という記事が、アメリカのヘルスケア メディア『verywellhealth』 のサイトに掲載されています。(verywellhealth 2022.11.14)
湿疹は、激しいかゆみ、乾燥肌、および発疹を引き起こす慢性皮膚疾患です。
湿疹の治療法として、通常は保湿剤、局所ステロイド、処方薬などが行われています。
この記事では、鍼治療が湿疹にどのように役立つか、症状の軽減につながることについて説明されています。
鍼治療は、伝統的な中国医学の一形態として世界でもポピュラーな治療法ですが、日本ではすでに、奈良時代に伝来していたというので、歴史あるものなんですね。
鍼は、髪の毛ほどの細さで、「経穴(ツボ)」という体の特定の箇所や、筋肉にあてて刺してゆきます。
特定のポイントを刺激することにより、体の中枢神経が活性化して、体全体の治癒を可能にする化学物質が放出されるといわれています。
当サイトでもご紹介していますが「経絡」は気血の通り道であり、その経路の特定のポイントに鍼を刺すと、滞った気血の流れを改善するとされています。
肩こりや腰痛などの整形外科疾患だけでなく、内臓疾患や精神疾患など、さまざまな病気に対して鍼治療は、その効果が期待されてきました。
湿疹の治療でも、状態の重症度とかゆみの強さによって、鍼治療が有効である可能性があるのだそうですね。
この記事では、鍼灸治療の湿疹に関しての利点が、4つあげられています。
1.乾燥やかゆみの緩和
2.より少ないかゆみ
3.生活の質の向上
4.影響を受ける部分を減らす
そのことについて、以下のように書かれています。一部を引用させていただきます。
Eczema flare-ups are also closely linked to high levels of stress and anxiety. Since acupuncture has been shown to reduce anxiety and stress, that reduction can also aid in relieving the symptoms of eczema.
要約すると、次のようになります。
・湿疹の再燃は、高ストレスや不安とも密接に関連している
・鍼治療は不安やストレス軽減できるため、その軽減よって、湿疹の症状緩和にも役立つ
湿疹や皮膚のトラブルがある場合、皮膚の防御機構の異常や、免疫系の過剰反応が疑われますね。
鍼灸治療ではそれらのアンバランスに対して、静める働きがあるとされています。
湿疹の状態緩和に関連するポイントとして、手と足の経穴が6つほど紹介されています。
日本でのツボの呼び名と、英数字表記でのツボをあわせて下記に引用させていただきます。
1.合谷(ごうこく) LI4 : 炎症や刺激を軽減
2.曲池(きょくち) LI11 : 皮膚のかゆみや乾燥を軽減
3.太衝(たいしょう) LV3 : 自律神経系のストレス軽減
4.三陰交(さんいんこう) SP6 : 炎症、発赤、皮膚刺激を軽減
5.血海(けっかい) SP10 : かゆみや炎症を抑える
6.足三里(あしさんり) ST36 : 全体的な健康状態を改善
※アルファベットと数字で書かれているのは、WHO国際基準の国際表記です。
上記の経穴は、鍼灸治療において比較的よく使用されるものです。
鍼灸治療によりこの6か所の組合わせで、心も整えられられる可能性があるというのは、非常に興味深いですね。
今回の記事の詳細については「verywellhealth」のサイトをご参照ください。
◆verywellhealth – Is Acupuncture an Effective Treatment for Eczema?
https://www.verywellhealth.com/acupuncture-for-eczema-5272578