「子供に鍼治療は効果がありますか?」という記事が、アメリカの1800年代から続く新聞社『THE BLADE』の公式サイトに掲載されています。(toledoblade.com 2022.10.30)
この記事の中で次のように書かれています。一部を引用いたします。
When performed by an experienced acupuncturist, this therapy may be a safe way to help a child address pain or stress.
つまり、「鍼治療は、慢性的な痛み、消化器系の問題、感情的な状態、ストレスに関連する症状を緩和するため、何世紀にもわたって使用されてきたものですが、子供にも有益であることをご存知ですか?」ということですね。
そして、経験豊富な鍼灸師による鍼治療は、子供の痛みやストレスに対処する安全な方法であるとも書かれています。
日本でも、「小児はり」というものがあります。
そのような看板を街中で見かけたことがあるかもしれませんが、実際にどのような治療をするのか、想像しにくいものですよね。
この記事では、お子さんに鍼治療を検討している場合の、よくある質問と考慮すべき重要事項の3点について書かれていますので、ご紹介させていただきます。
1. 鍼治療は子供にとって安全ですか?
この質問に対する答えは次のように書かれています。
Acupuncture involves the insertion of very thin sterile needles. This practice can be very safe as long as the provider is trained and licensed. Always do homework on the provider’s credentials and experience.
つまり、「鍼灸師は、非常に細い無菌の針を使用し、子供の年齢、体格などを考慮して治療方法を考えます。トレーニングしたライセンス取得者により行われる限り、安全ですので、資格情報と経験について調べてください。」ということですね。
2. 子供が針を怖がる場合はどうすればよいですか?
この質問に対する答えは次のように書かれています。
Children usually have had several vaccines and “ouchy” things done at health care visits, so this can make them afraid of needles. A good provider will take this into consideration and take time to talk with you and your child on what the needles feel like and what to expect from the visit.
つまり、「子供たちは、よく注射を怖がることがありますが、良い医療提供者はこの点を考慮して、時間をかけて、針の感触や期待できることについて話し合うでしょう。」ということですね。
恐怖を取り除くのはすぐには難しいかもしれませんが、優しく、じっくりと話しながら和らげていくということなんでしょうね。
実際に鍼は、注射と比較したら「全く痛くない」ほどですから、慣れてしまえば安心ですね。
あるいは日本での「小児はり」のように、実際に刺さない鍼を使うケースも多いです。
触刺激だけでも相応の効果があるんですね。
3. 鍼治療はどのような健康上の懸念に役立つ可能性がありますか?
これについては次のように書かれています。
For children, acupuncture can be helpful for more specific concerns such as digestive issues and upset belly. Acupuncture could also be used for helping the symptoms of anxiety. A child with anxiety might find it difficult to focus when trying to do schoolwork; acupuncture could help calm them, which in turn can help with focus.」
これはつまり、子供の場合、消化器系の問題や腹部の不調などのよく起こる症状に対応できますが、不安症状を和らげるので、不安のある子供を落ち着かせて、集中力を高めることができるということなんですね。
子供に対する鍼灸治療については当サイトでも何度かご紹介してきました。そちらもあわせてご参照ください。
⇒ 小児はり応用しスキンタッチ 食欲不振や「かんの虫」効果 - 愛媛新聞
日本では、「小児はり」というと、昔から、夜泣き・疳の虫・夜尿症や、てんかんや発達障害の子供などが受けていることが知られています。
中学生くらいから、大人と同じ鍼を使っていますが、0才児~12才くらいまでは、刺さない鍼を使うことがほとんどなんですね。
刺さない鍼というのは、手の中に入るくらいのサイズで、先が丸まった「三稜鍼」や、「ローラー鍼」という、ローラータイプにギザギザした突起が付いたもの、棒や動物型のへらなど、種類がたくさんあります。
子供の扱いが上手な先生が、それで軽くさすったり、転がしたり、トントンとしたりします。
大人が受けても心地よいものなんですね。
触れるだけの皮膚への刺激で、精神安定や内臓の調子も整うといわれています。
今回の記事の詳細については、「THE BLADE」のサイトをご参照ください。
◆THE BLADE – Can children benefit from acupuncture?
https://www.toledoblade.com/health-well-being/2022/10/30/children-benefits-of-acupuncture/stories/20221030028