ニューヨーク州知事アンドリュー・クオモ氏が議会を通過した労働者鍼治療法案をくつがえした、という記事が、北米で鍼灸オンライン教育を実施しているサイトに掲載されています。(HealthCMi ヘルスケア医学研究所)
この法案は、けがをした労働者が鍼灸治療を受けることを許可するものです。
クオモ知事は、けがをした人が鍼灸治療を受ける権利を否定したというわけですね。
これは、個人が誰に治療してもらうかを選ぶ権利や、医師が患者を鍼灸師に紹介することさえも妨げることになります。
要するに、クオモ知事は、鍼灸が医療行為にアクセスするのに反対、ということなんですね。
でもそうなると、アメリカ医師会が出しているガイドラインにも反対する立場になりそうです。
ニューヨークのがん専門病院やイギリスのヨーク大学の研究者らは、「鍼灸治療は慢性疼痛に効果的で費用対効果も高いのに、知事の反対は無責任」、と非難しています。
これまでニューヨークが歩んできた統合医療の歴史を振り返っている部分を以下に引用します。
要点は以下のようになります。
◆ニューヨークには、鍼灸を含む質の高い統合医療を実施してきた歴史がある。
◆初めての外来統合医療診療科は、2000年にニューヨークのベスイスラエル病院に設置された。
この病院は、教育のための研修プログラムを作り、鍼灸師の育成にも力を注いできたという歴史があるそうです。
また、安全な鍼灸治療の記録の樹立もこの病院が打ち立てているそうです。
アメリカの統合医療をリードしてきた地で、政治家の態度ひとつで鍼灸治療が突然受けられなくなるなんて、ちょっとひどい話かもしれませんね。
当サイトでは、代替療法としての鍼灸についての専門家の意見を紹介しています。こちらもご参照ください。
今回の記事の詳細は「ヘルスケア医学研究所」のサイトをご参照ください。
◆HealthCMi – NY Governor Excludes Acupuncture For Injured Workers
https://www.healthcmi.com/Acupuncture-Continuing-Education-News/1928-ny-governor-excludes-acupuncture-for-injured-workers