中国ではバーチャル・リアリティ(VR)を用いた授業で学生が鍼灸を学んでいるという記事が、南中国モーニングポスト紙のインターナショナル版英語サイトに掲載されています。(scmp)
台湾系アメリカ人が開発したVRを用いた医療技術学習システムは5月、中国の医学大学をリードする北京中医薬大学に導入されたそうです。
鍼灸を学ぶ学生たちはゴーグルを着用し、ゲームコントローラーを持って経絡やツボがマークされた3Dボディマップの世界に入り込んで学んでいます。
人体の組織や臓器などが動くドットで示される3Dボディマップは、キャンパス内と遠隔操作の両方で使用できると指導に当たるチェン・カイ教授が説明します。
このシステムの導入で学生は、2次元の図面上の学習ではわかりにくい、ハイレベルな精度が要求される技術の習得が容易になったそうです。
例えば、視神経のすぐ近くに正確な深さと角度で鍼を挿入する治療でも、正しくできているかどうかを直接目で見て確認しながら学べるんですね。
チェン教授は、中医の大学にこのシステムを導入するよう中央政府に申請しているそうです。
どんな計画なのかを述べている部分を以下に引用します。
要点は以下のようになります。
◆チェン教授によると、申請が承認されれば、中国にある29のすべての中国医学の大学にVR学習システムが導入されるという。
この数年のうちに、中国の医学教育や医療の中にVRシステムが生かされる事例が急速に増えていくことになりそうですね。
難易度の高い手技は、患者のデジタルアバターを作成して臨床シミュレーションを行うようになる日も近いかもしれません。
当サイトでは、鍼灸のツボ(経穴)のいくつかを紹介しています。こちらもご参照ください。
⇒ ツボって何?
VR技術は西洋医学の分野で取り入れられているようですが、このように東洋医学・鍼灸業界においても採用され始めているんですね。
今回の記事の詳細は「scmp」のサイトをご参照ください。
◆scmp – Virtual reality helps Chinese medicine students learn acupuncture and doctors treat cancer
https://www.scmp.com/lifestyle/health-wellness/article/2169092/virtual-reality-helps-chinese-medicine-students-learn