中国で誕生したと考えられてきた鍼灸は、実は、ヨーロッパが発祥の地かもしれないという記事が、科学の発見を掘り下げて詳しく解説するサイトに掲載されています。(Live Science ライブサイエンス)
1991年にイタリアのアルプス山中で発見された男性のミイラは、人類史上最も古い氷河のミイラでした。
約5,300年前に殺害され、そのまま冷凍保存されてきたアイスマンは、発見後、さまざまな専門家が全身の調査をしてきたんですね。
今年の8月には、古生物学の専門誌にアイスマンの健康状態や病歴のほか、体中に入れられた入れ墨について発表されました。
持病は、動脈の狭窄と心臓病、膝の関節炎、ヘリコバクターピロリ菌への感染と胃潰瘍、腸内の寄生虫などがあったそうです。
61か所もあったという十字としま模様の入れ墨は、治療をするためにつけた印なんだそうですね。
胸の入れ墨は、おなかの症状を和らげるために使用された鍼灸治療のツボではないかとのことです。
イタリアの研究所のアルベルト・ジンク氏に質問して電子メールで答えてもらったという部分を以下に引用します。
要点は以下のようになります。
◆ほとんどの科学者が、鍼灸は中国で始まったと信じている。
◆中国の古文書は2200年前に書かれたものがあるが、鍼灸はヨーロッパのどこかでもっと早い時期に始まった可能性がある、とジンク氏は述べている
新しい発見によって書き換えられる歴史は少なくないようですが、鍼灸の歴史もそのひとつになるのでしょうか。
当サイトでは、日本の東洋医学の歴史を伝える博物館を紹介しています。こちらもご参照ください。
何千年も前のヨーロッパにおいて鍼灸治療の形跡らしきものが見つかったというのは興味深いお話ですね。
今回の記事の詳細は「ライブサイエンス」のサイトをご参照ください。
◆Live Science – Otzi the Iceman’s Tattoos May Have Been a Primitive Form of Acupuncture
https://www.livescience.com/63682-otzi-ice-man-took-medical-treatment.html