アメリカの開業医向けの鍼灸情報が米国家庭医学会のサイトに掲載されています。(AAFP)
鍼灸治療は、今年1月からアメリカで痛みをコントロールする治療法の一つとして認められたそうです。
大きな病院では、すでに院内に鍼灸師がいて対応するのが一般的になっているとのことです。
ただ、慢性痛を抱えている数百万人のアメリカ人が最初に相談に行くのは、やはり近所の家庭医だそうですね。
といっても、クリニックを開業している家庭医の多くは、鍼灸の教育を受けていません。
そのためまず、疼痛学会専門誌に掲載された専門的な研究の詳細について紹介しています。
そして、鍼灸の効果は単なるプラセボでは説明できないことや、時間が経過しても効果は持続すると解説し、慢性疼痛の治療に効果的であると伝えています。
また、全米医療鍼灸学会などは、医師が研修を受けるためのワークショップや講習会を積極的に開催しているそうです。
患者は、十分な専門性をもって対応してほしいと期待しますが、鍼灸の訓練を受けた家庭医の数はまだまだ少ないようです。
米国家庭医学会公衆衛生部のフロスト医師が家庭医の現状について語った部分を以下に引用します。
要点は以下のようになります。
◆当分の間、鍼灸治療を求める患者は、別の医療者に紹介される可能性が高い。
◆そのため、家庭医は、最高のケアを受けることができるように、地域でどの専門家が質の高い鍼灸治療を提供しているかを知っておくことが重要になる。
アメリカの家庭医に今求められていることは、医師自身が鍼灸の研修を受けることと、よい鍼灸師の情報を得ておくことの2つなんですね。
当サイトでは、アメリカで痛みの治療に鍼灸を導入すると決めたときの記事を紹介しています。こちらもご参照ください。
アメリカではますます鍼灸治療が注目されているようですね。
一方でまた、鍼灸の効果に疑問を持つ声もあります。
鍼灸の効果のメカニズムは、その詳細まではなかなか解明されにくいですが、鍼灸治療を試してみてその効果を体感している人は今後も増えていくことでしょう。
今回の記事の詳細はAAFPのサイトをご参照ください。
◆AAFP – 2018.05.21 Research Finds Acupuncture Effective for Chronic Pain
https://www.aafp.org/news/health-of-the-public/20180521acupuncture.html