今年から、アメリカでは鍼灸が痛み止めの正式な治療法として採用された経緯を、救急外来の医師の目を通して紹介する記事がニュースサイトに掲載されています。(Quartz Media LLC クォーツメディアLLC)
米国疼痛学会が推奨する痛み止めの治療法に鍼灸が加えられたことに、少なからず驚いた医師は多かったようです。
患者にオピオイドやアヘンなどを痛み止めとして処方する立場にあった医師が自らの経験を交えながらその経緯をつづっています。
多くの医師は、自分が処方する薬によって中毒する患者を実際に見てきたそうです。
代替療法として鍼灸のことを耳にしても、メリットがあるなら医学部で学んだはずだと考えて注意を向けず、却下し続けたそうです。
他の医師や学会の空気も似たようなものだったようです。
例えば、国際麻酔研究会は、「鍼灸は劇場型のプラシーボ」というタイトルの記事を2013年に発表しているんですね。
ところが2017年、マーク・コーエン博士らが緊急救命室(ER)で実証した研究が発表されてから状況が変わり始めました。
その説明の部分を以下に引用します。
要点は以下のようになります。
◆2017年、マーク・コーエン博士が率いるオーストラリアの研究グループは、鍼治療はタイレノール、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、腰痛や足首捻挫の治療のためのアヘン剤などと同じように有効であると示唆する研究を発表した 。
オピオイド危機が深刻化していたアメリカでは10月、国家緊急事態を宣言して鍼灸が導入されることになったというわけです。
当サイトでは、1月から痛みの治療に鍼灸が導入されたときの記事を紹介しています。こちらもご参照ください。
薬物中毒という社会問題に対して、鍼灸治療が役に立っているようですね。
今回の記事の詳細は「クォーツメディアLLC」のサイトをご参照ください。
◆Quartz Media LLC – 2018.04.29 As a doctor, I didn’t think much of acupuncture. Then the opioid crisis arrived
https://qz.com/1264784/as-a-doctor-i-didnt-think-much-of-acupuncture-then-the-opioid-crisis-arrived/