2017.09.07 The Guardian(ガーディアン)
鍼灸治療の効果について、脳をスキャンして得た画像で確認可能という記事が、イギリスのガーディアン紙のサイトで紹介されています。
鍼灸治療の効果を調べる臨床試験は、これまでに3000回以上も行われているそうです。
「気のせい」とされる「プラセボ効果」の有無も含めて、痛みが取れたかどうかは、これまでは患者本人が評価して答える臨床試験ばかりでした。
プラセボ効果を調べるため、ツボをはずしてニセ鍼を打っても、体はそれなりの影響を受けるんですね。
そうなると、ニセ鍼で痛みが和らいだ場合、それはプラセボ効果ではなく、鍼の効果もあったわけで、ややこしい話になりますね。
当サイトでは以前、プラセボ効果について書かれた記事を紹介しました。こちらもご参照ください。
ミシガン大学の神経科学者リチャード・ハリス氏らは、鍼灸治療の効果を調べるため、脳をPETでスキャンしました。
PETというのは、人体を輪切りにしたようなスキャン画像にする陽電子放出断層撮影のことです。
ハリス氏の実験では、鍼灸治療で脳の神経細胞の表面にオピオイド受容体が認められ、エンドルフィンの放出が示されました。
3月に発表されたランダム化比較試験の結果について述べている部分を以下に引用します。
The larger the physiological changes measured by the team immediately after
treatment, the better the patients felt three months later.
要点は以下のようになります。
◆本物の鍼治療グループは3か月後も痛みが軽減される。
◆治療直後に測定された生理的変化が大きいほど、3か月後に患者はより改善していると感じた。
ハリス氏らのこの研究は単一の研究であり、まだ科学者に広く支持されているわけではないようです。
しかしハリス氏は、懐疑的な人たちも含めて鍼灸の受け入れに向けて動いていると言っています。
鍼灸の良さや効果はなかなか分かりにくいかもしれませんが、それでも海外では鍼灸を体験する人は増えているようですね。
少しずついろいろなことが解明されていくといいですね。
今回の記事の詳細については「ガーディアン」のサイトをご参照ください。
◆The Guardian – Pains and needles: brain scans point to hidden effects of acupuncture
https://www.theguardian.com/global-development-professionals-network/2017/sep/07/pains-and-needles-brain-scans-point-to-hidden-effects-of-acupuncture