2016.11.12 the HORSE(ザ・ホース)
アメリカ・イリノイ大学獣医学部動物病院では、馬に鍼灸治療をしているという記事が馬の専門誌「ザ・ホース」のサイトに紹介されています。
ラスコラ大型動物内科では、患者となる動物の治療の選択肢を広げるため、鍼灸治療の認証を取得しています。
ラスコラ博士は、従来の治療法を補完するため、馬に鍼治療をしているそうです。
博士は、鍼治療は動物にも有益とされていることから、馬の快適性を高める目的で行うそうです。
慢性的な背中の痛みがある馬を鍼治療したときのラスコラ博士の言葉を以下に引用します。
“This horse was initially given corticosteroid injections and shockwave therapy, which resulted in some improvements,” says Lascola. “However, follow-up acupuncture treatments really seemed to make the difference. By the owner’s account, the horse is more comfortable, performs better under saddle, and has increased flexibility. After acupuncture, he no longer showed discomfort when we probed his back in the regions where he had previously shown pain.”
要点は以下のようになります。
◆慢性痛を抱えていた馬は、最初のコルチコステロイド注射と衝撃波療法でかなり改善した
◆その後に実施した鍼治療が予後の違いを生み出していると思われる
◆所有者によれば、馬は鞍の下でのパフォーマンスが向上し、柔軟性が向上した。鍼治療後の検査では、馬が不快感を示すことはなかった
当サイトでは、ペットに鍼灸治療を行うイギリスの例やCBSニュースの例などを紹介しました。こちらもご参照ください。
鍼灸治療の資格を持つ獣医のほとんどは、従来の医療で治療を行ってから鍼灸治療をしているそうです。
ラスコラ博士が馬に鍼治療をするのは、飼い主が鍼治療に興味を持ち、少なくとも何回かの治療に立ち会う場合だと言います。
また、治療の継続は、多くの場合、飼い主からのフィードバックによって決定されるそうです。
物言わぬ動物の鍼灸治療では、反応を丁寧にチェックしながら慎重に進めるということなんですね。
今回の記事の詳細については、ザ・ホースのサイトをご参照ください。
◆the HORSE – Equine Acupuncture on the Rise as Adjunct Therapy
http://www.thehorse.com/articles/38408/equine-acupuncture-on-the-rise-as-adjunct-therapy