2016.11.11 HealthCMi(ヘルスケア医学研究所)
鍼治療の高血圧への有効性とそのメカニズムについての記事が、ヘルスケア医学研究所のサイトに掲載されてています。
カリフォルニア大学アーバイン校(UCI)の研究チームの実験結果から、鍼治療がどのように効くかというメカニズムが紹介されています。
効果の有無だけでなく、メカニズムの解明に踏み込んでいるところが興味深いですね。
昨年の実証実験についても、当サイトで紹介させていただきました。こちらもご覧ください。
今回の実験では、足三里(あしさんり)のツボ(ST36)への電気鍼治療により、エンケファリン産生が促進されることが確認されています。
エンケファリンは脳内モルヒネの一種で、高血圧の原因である交感神経系からの炎症性興奮反応を減衰させるんですね。
このエンケファリンの産生を刺激する物質について述べている部分を以下に引用します。
The researchers note that electroacupuncture regulates chemical changes to the area of the brain responsible for nervous system responses that control cardiovascular function.
The researchers document that electroacupuncture achieves this result by directly influencing preproenkephalin (PPE) gene expression.
要点は以下のようになります。
◆電気鍼による静脈への刺激は、心臓血管機能を制御する神経系の脳の化学変化を調節する
◆電気鍼治療がプレプロエンケファリン(PPE)の遺伝子発現に影響を与える
高血圧は、脳卒中、心臓発作、心不全などのリスクを高めることが知られていますね。
アメリカでは、2010年だけで100万人以上が心血管系疾患などで死亡しているそうです。
世界には9億7200万人の高血圧患者がいて、その数は増え続けると予想されています(2000年)。
もしも高血圧を防止できれば、心臓病や脳血管疾患による死亡リスクを下げることができます。
有効性と費用対効果の面から、電気鍼を重要な治療の選択肢として真剣に検討すべきとこの記事では結論づけています。
日本も高血圧患者が多いと言われていますので、鍼灸治療を試してみるのもいいかもしれませんね。
今回の記事の詳細については、ヘルスケア医学研究所のサイトをご参照ください。
◆HealthCMi – Acupuncture Combats Hypertension In University of California Research
http://www.healthcmi.com/Acupuncture-Continuing-Education-News/1688-acupuncture-combats-hypertension-in-university-of-california-research