澤村投手の鍼治療トラブル報道 業界から巨人に質問状送付 – 医道の日本社

2017.09.21 医道の日本社 Webサイト
「プロ野球選手への施術ミス報道を受けて業団が連名で巨人に質問状を送付」と題する記事が医道の日本社の公式サイトに掲載されています。

今月上旬に、巨人軍の澤村拓一投手のニュースが話題になりました。

その内容は、「球団トレーナーによる鍼灸治療のミスで長胸神経麻痺が生じた可能性がある」というものでしたね。

非常にショッキングな報道でした。

 
鍼灸治療で使用する細く柔らかい鍼で、麻痺を起こすほどの影響を神経に与えることは普通は考えにくいと、多くの鍼灸師は思っています。

ただ、今回の報道については、どのような鍼灸治療がなされたのか、何をもってそのような診断に至ったのかが不明ですので、鍼灸業界として、巨人軍に質問状を送付するという流れになったんですね。

医道の日本社のWebサイトにはその質問状の全文が掲載されています。下記にその一部を引用させていただきます。

質問状①

本件におきまして、診察ならびに診断されました医師の先生にお聞き致します。

Q1. 報道によれば長胸神経麻痺とありますが、本件の正確な診断名とその理由(所見)をお聞かせください。

Q2. 報道によれば、はり治療が長胸神経麻痺の原因とありますが、これは事実でしょうか?もしも事実であるならば、はり治療を原因とした理由(因果関係)と他の原因を除外した理由をお聞かせください。また、はり治療前から長胸神経麻痺を疑う所見がなかったかお教えください。

Q3. 患者の転帰についてお聞かせ下さい。

Q4. もしもはり治療が長胸神経麻痺の原因であると考えであるならば、どのような安全対策を施せば、今回の事故を避けることができたとお考えでしょうか?ご意見をお聞かせ下さい。

Q5. 上記に加えて、本件に対するご意見ご感想をお聞かせ下さい。

質問状②

本件におきまして、はり治療を行われたトレーナーの先生にお聞き致します。

Q1. 本件に関するはり治療の詳細(主訴と治療の目的、使用鍼のサイズ、刺鍼部位・方向・深度・強度、等)についてお教え下さい。

Q2. 報道によれば、はり治療が長胸神経麻痺の原因とありましたが、刺鍼時あるいは刺鍼後に神経を傷害したことを示唆する現象(強い鍼響、痛み、シビレ、筋の単収縮、等)はございましたか?

Q3. 上記の質問を踏まえて、はり治療が今回の事故の原因とお考えでしょうか?
もしもそうであるならば、どのような施術行為が原因であったか、どうすればこれを防ぐことができたとお考えでしょうか?ご意見をお聞かせください。

Q4. 上記に加えて、本件に対するご意見ご感想をお聞かせ下さい。

 
上記が質問状の一部です。

実際にどのような回答がなされるのか、非常に興味深いですね。

 
当サイトでも数多くご紹介させていただきましたが、スポーツ業界において鍼灸治療による体のメンテナンスは、常識になりつつあります。

スポーツ選手の鍼灸治療については、こちらの記事もぜひご参照ください。

 ⇒ 高橋尚子さん 鍼灸は高校時代から ? LIVELY WOMAN

 ⇒ 琴奨菊関が体幹訓練と鍼灸治療で体のケア

 ⇒ 「鍼灸ニュースレター No. 3 」- スポーツと鍼灸・統合医療への試み

 
スポーツ分野での鍼灸の貢献を考えると、今回のニュースは驚きでしたね。

本件については医道の日本社でも取材対象となるようですので、今後の動きはまたご紹介させていただきます。

今回の記事の詳細については、医道の日本社 Webサイトをご参照ください。

◆医道の日本社 – プロ野球選手への施術ミス報道を受けて業団が連名で巨人に質問状を送付
http://www.idononippon.com/information/news/2017/09/post-29.html

 
baseball2a

 


 


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3件のコメント

  • なかじま しんたろう

    鍼治療が原因である”可能性がある”と医師が言って、メディアが騒いだだけであって鍼治療に原因があるとは言っていません。原因である可能性がゼロとは科学的に言えませんよね?なので可能性があると表現したまでだと思います。

    • Ree21

      そのゼロではない可能性について、科学的な検証をすすめることが求められます。施術によって、こういった有害事象が起こりえるかもしれない(あるいは、全く起きえない)ことについて、業界は十分な説明責任を果たしていません。ベテラン、初心者を問わず、そのグレーゾーンの線上で起きている問題だと思います。施術者にとっても、その点は重要です。

      https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1494882464

      • Ree21

        (2)

        例えば、脇部などにはリンパも走行しています。解剖の教科書は、神経なら神経の章、筋肉なら筋骨の章に、それぞれ画像はでていますが、それらを複合的にアクチャルな人体の構造を理解するのは中々むずかしいです。外科医や解剖学者でなければ特に。

        また、刺したまま屈伸させる運動針や、数10センチに及ぶ針を使用する治療家もいるでしょう。現行の基準では、それらの方法は危険でも違反でもないです。但し有害的な事象が起きえるかもしれない可能性については、よくよく注意し検証していくべきだと思います。

        「神経に当たっても針先はたわむので起きえない」だの「神経に到達すれば患者のほうが悲鳴をあげる」「トリガー注射でさえそんなことは起きたことも、聞いたこともない」「どうやって針のせいだと言えるんだ」だの。それらは、まともな反論ではないです。

        粗雑な手技では、今回のようなことも起きえるかもしれないことをよく検討すべきです。

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