「足底筋膜炎の鍼治療を検討する時期」という記事が、アメリカのヘルスケア メディアに認められている『verywellhealth』に掲載されています。(verywellhealth 2022.10.26)
足底筋膜炎は、足の指の付け根からかかとまでの、足の裏で体重を支えている筋膜が炎症を起こすことで、足の裏やかかとに痛みがでる病気です。
足裏のアーチ部分を、筋膜が弓の弦のようにピンと張って支えています。土踏まずに負荷がかかり、筋肉を無理に引っ張ると、微細断裂がおきて周辺に痛みが出るんですね。
よくあるのは、歩行やランニング、ジャンプやスポーツによる使いすぎ、偏平足や老化によるアーチの低下、長時間の立ち仕事をする人などです。
また、肥満の人、ふくらはぎの筋肉が硬くなっている人、アーチが非常に高い人、繰り返す動きをする人や靴のサイズが合ってない場合などは、より傾向が高いということなので、身近にある症状のようですね。
一般的な治療は、安静を心がけ、症状が落ち着くまでは、長時間立っていることや発症のきっかけとなったスポーツは一時お休みする、といった保存療法です。
足のストレッチをしながら、1か月から3年の自然治癒を待つというのが基本だそうです。
装具で固定したり、抗炎症薬が使用される場合もあります。
この記事では、鍼治療の利点と効果はまだ研究中、ということですが、足底筋膜炎の治療に有益であることを示唆する証拠があると書かれています。一部を引用いたします。
One review of available medical research found significant pain improvements in people who had acupuncture for the condition compared to people who received more standard treatments (like stretching, orthotics, and strengthening)
要約すると、
「1つの医学研究のレビューでは、標準的な治療(ストレッチ、装具、強化)を受けた人々と比較して、鍼治療を受けた人々に、大幅な痛みの改善が見られた」ということです。
同じレビューには、「鍼治療をプラセボ治療と比較した時の痛みの改善が、4~8週間の比較的短期間であったため、価値ある結果」とあるそうです。
また、他の医学文献のレビューでは、「鍼治療が、非ステロイド性抗炎症薬(NASAID)と組み合わせた場合、かかとの痛みを軽減し、日常機能を改善するのに役立つことがわかりました」と書かれているそうです。
従来の治療法に、鍼治療を取り入れると、より効果的なのですね。
鍼治療は、よく、痛みの治療に使われていますが、その仕組みは、皮膚(ツボ)の刺激が中枢神経系へ伝わって、鎮痛効果や抗うつ効果などを示すと推測されています(ボトムアップ・ニューロモデュレーション仮説)。
脳内で放出された化学物質が、痛みの感覚を軽減します。
神経や脳内物質が関わっているので、手や足に鍼を刺しても、全身の治療に有益ということなのですね。
厚生労働省『eJIM』にある、鍼治療の解説ページも、ご参考になると思います。
今回の記事の詳細については、「verywellhealth」のサイトをご参照ください。
◆verywellhealth – When to Consider Acupuncture for Plantar Fasciitis
https://www.verywellhealth.com/acupuncture-for-plantar-fasciitis-5272190