尿失禁などに対する鍼灸の有効性を検討した学術論文の調査(研究レビュー)の記事が、泌尿器科医と患者の支援を目指す医療情報専門サイトに掲載されています。(UroToday ユロトゥデイ)
加齢にともない排尿にまつわる悩みをもつ人は多くなるようなので、世界には同じような悩みを抱える人が何億人もいるということですね。
例えば、女性と高齢者に多い尿漏れ(尿失禁)や、中高年男性に多い下部尿路症状での頻尿などがその代表的なものです。
こうした症状は、さまざまな原因によって起こるそうです。
それらに対して鍼治療で対応できるようになれば、多くの人の生活の質(QOL)を改善する道が切り拓かれることになるわけですね。
研究レビューを発表したのは、ピッツバーグ大学看護学部教授のサンドラ・エンバーグ博士で、近年の鍼灸を用いた臨床試験の結果を集めて検討したそうです。
例えば、過活動膀胱による尿失禁の人たちを本物とニセモノの鍼治療群に分けて実施した試験では、2つの鍼治療群に差は生じていなかったそうです。
一方で、咳やくしゃみをしたときに起きる緊張性尿失禁のほうは、6週間の試験で1週間後に減少が認められたそうですね。
こうした臨床試験をいくつも検討した結果、博士が述べている結論の部分を以下に引用します。
要点は以下のようになります。
◆エンバーグ博士は結論として、鍼治療が尿失禁と下部尿路症状の治療法と言える十分な証拠は、現在のところはないと述べた。
◆ただ、鍼治療に抗ムスカリン薬を追加する治療法は有益かもしれない。しかしそれも、今後さらなる研究が必要であるとしている。
鍼灸が有効な場合があるにしても、正式な治療法として.認める証拠としては不十分ということなんですね。
可能性がありそうなものは、もっといろいろな研究が進んでいくといいですね。
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今回の記事の詳細は「ユロトゥデイ」のサイトをご参照ください。
◆UroToday – Acupuncture: A Viable Treatment for UI and LUTS?
https://www.urotoday.com/conference-highlights/2018-ics/106567-ics-2018-acupuncture-a-viable-treatment-for-ui-and-luts.html