熊本地震 鍼灸関連の活動報告 第5報です。
5月8日まで行われていた(公社)日本鍼灸師会、(公社)全日本鍼灸マッサージ師会による熊本県鍼灸マッサージ師会・福岡県鍼灸マッサージ師会・九州看護福祉大学のメンバーを中心とした合同災害対策チームの行ってきた熊本県医療救護班としての活動は、避難所、各地区の災害対策本部の統合によりその活動を終了致しました。
これまで行ってきた活動を振り返ってみると、活動の初期(4月19日~4月23日)は、熊本市内西部公民館にブースを設置して、避難者の方々に対する施術を中心に活動を行い、4月24日以降は熊本市立総合体育館にも施術ブース増設を行いました。
各区での避難所巡回を開始した4月24日以降は、それまでの活動に加えて、各医療チーム(JMAT/DPAT/JRAT、各区の保健師チーム等)との連携を取りながら、 他医療チームが巡回できない避難所の情報収集と、避難者に対する必要に応じた 施術、DVT(いわゆるエコノミークラス症候群)のチェックも行いました。
情報収集は、避難所の衛生環境(トイレ、水、食事、土足エリア、ゴミ処理、ペット有無等)、日中の避難者数、他の医 療チームで見落とされがちな要医療支援者 の候補等でした。これらの情報は同日夕刻のミーティングで報告し、他医療チームにシェアされました。その結果、翌日の医療チーム巡回内容に反映されるケースもありました。前日の鍼灸マッサージチームの報告を必ず資料に載せて配布していた区もありました。
また避難所の情報は施術中に利用者から得られる場合も少なくありませんでした。医療チームに依頼するほど緊急性がなく、我慢することでやり過ごすという避難者が少なからずいることもわかりました。中には放置しておくと深刻なケースに及ぶ可能性があった案件もありました。
全身状態を把握するのに優れていること、タッチングケアとしての側面もあり、表面化しにくい避難者情報を得やすいこと等、鍼灸マッサージ施術の特性を活かすことで、他医療チームをサポートするという活動内容で貢献してきました。
緊急性がある時期を過ぎたであろう現在においても、必要なケアの察知に鍼灸マッサージ施術が貢献できるという点に何ら変わりはないと考えます。
現在は被災地支援ボランティアとして、熊本市内は熊本県鍼灸マッサージ師会を中心としたチームが、熊本市立総合体育館において施術ブースを設置し支援活動を継続しております。
熊本市外は、福岡県鍼灸マッサージ師会のメンバーを中心としたボランティアチームが鍼活動を行っております。
現在まで延べ1,138人の被災者の方に施術を行い、延べ229人がボランティア活動に参加しました。
5月13日現在のボランティア応募者数は82人です。
ボランティアの募集が変更になっておりますので、こちらもご参照ください。
日本鍼灸師会、全日本鍼灸マッサージ師会ではボランティアを募集しており、5月13日時点で82人が登録されました。
現地では災害直後から早急に医療支援体制が確立され、各団体は有機的な医療支援の連携がなされます。被災地における社会性を考慮し、現地のニーズを把握した活動が望まれます。