鍼灸の効果については、その全てが科学的に証明されているわけではありません。
しかしながら鍼灸を扱った数々の実験データにより、鍼灸刺激が人間の体に何らかの作用をもたらしていることは分かっています。
例えば、鍼灸刺激というものは神経を刺激して血行を促進して、痛みや疲労の原因となる物質を老廃物として排出する作用があると言われています。
また、鍼灸刺激は自律神経に効果的に作用し、胃腸や心臓・血管などに作用しその働きを調節すると言われているんですね。
そのほかにも、鍼灸刺激が人間の免疫力を呼び起こす作用についても研究がなされていて、そのほかにもまだまだ解明されていない鍼灸の効果も期待されています。
鍼灸の刺激が自律神経に効果的に作用するということを考えてみると、自律神経失調症の症状に対しても期待できるケースがあるでしょう。
自律神経には交感神経と副交感神経があります。
一般的には、交感神経は人間が行動するとき、そして緊張するような場面で働きます。
一方で、副交感神経というのは、人間がリラックスしているときや休んでいる時に働きます。
このこのバランスが崩れると体のいろいろな部分に不調が生じてくるんですね。
そのバランスが崩れた状態が自律神経失調症です。
めまいやだるさ、頭痛や動悸、ほてり、不眠、便秘、微熱、耳鳴りなどさまざまな症状があります。
場合によっては手足のしびれやふるえ、汗が止まらないといった症状もあるでしょう。
これらの自律神経失調症の症状に鍼灸治療が効果的である、という期待があるんですね。
鍼灸治療をしてすぐにどうこう、ということは難しいかも知れませんが、いろいろと試したけれども改善しない場合には鍼灸がいいかもしれませんね。