1月30日(日)、31日(月)の2日間にわたり、今年度からの新規事業であるスポーツ鍼灸マッサージ指導者育成講習会の後期B級講習会が開催されました。
会場は国立オリンピック記念総合青少年センター、受講者は176名(一般9名を含む)でした。
講習内容
第1部 スポーツ医学(整形外科1・2)
講師:向井直樹 筑波大学大学院人間総合科学研究科スポーツ医学専攻准教授
第2部 救急救命
講師:小峯 力 流通経済大学大学院スポーツ健康科学研究科
第3部 スポーツ鍼灸2・3
講師:桑井太陽 水泳日本代表 チームトレーナー
第4部 スポーツマッサージ2・3
講師:広橋憲子 元水泳日本代表 チームトレーナー
第1部では「スポーツ医学、整形外科」講師は筑波大学のスポーツドクター向井直樹先生。スポーツ外傷(骨折・捻挫・肉離れ・腱断裂)とスポーツ障害での対応の違いについて、各症例を元に現在の整形外科的な検査・処置の解説がありました。また筑波大学で鍼治療を併用した研究もされており、その治験についての有効例も紹介いただきました。
第2部は「救急救命法」講師は流通経済大学の小峯 力教授、日本におけるライフセービングの第一人者であり、スポーツ現場の救急救命法について心肺蘇生法やAEDの解説以上に「1秒でも早く蘇生させる」ことの意義について熱く語っていただきました。参加者は一様に日本の救命率の低さ(3%)に驚き、ガイドラインに基づいた正確な救急救命法の普及の必要性を感じた様子でした。
2日目の第3部「スポーツ鍼灸」講師は水泳日本代表トレーナーの桑井太陽先生。鍼灸マッサージ師であると同時に理学療法士の資格を持つ桑井先生は選手のケアの際の姿勢評価に焦点を当て、選手の状態把握から刺鍼のポイントについて解説いただきました。またスポーツ愛好家とトップアスリートのそれぞれのおかれた環境の違いを指摘し、トレーナーの関わり方などについても細かく指導がありました。
第4部「スポーツマッサージ」講師は同じく水泳日本代表トレーナーの広橋憲子先生。身長148cmの広橋先生は、巨大な筋肉質の水泳選手のコンディションを現場や自身の治療室でケアしています。そのため自身の身体に無理なく且つ選手に効果的なマッサージの重要性について解説いただきました。指だけではなく手掌、肘、拳、足など全身あらゆるパーツを駆使し、深部筋までほぐす手技の数々に参加者は真剣に見入っていました。
今年度のスポーツ鍼灸マッサージ指導者育成講習会の全課程を修了し、S級15名とB級151名の認定証授与式が執り行われ、全鍼師会杉田会長から「全鍼師会でこのような認定をするのは初めてのことであり、今回の講習で得た知識を活かし各地域での皆さまの活躍を願っています」と締めくくりました。